新型コロナウイルスの影響を受け、経営が苦しくなった小売店は多く存在します。コロナの影響によってさまざまな環境が変化しつつありますが、過去の歴史から見ても「危機」は「変化」のためのチャンスとも捉えられるのです。
今回は、これからの小売店がどのように変化するべきかについて解説していきます。
「危機」は大きな変化をもたらす
私たちの生活に変化がもたらされる場合、それは緩やかに変化することは多くありません。大抵は階段を駆け上がるように一気に変化することがほとんどです。そのきっかけとなるものが「危機」といえるでしょう。
たとえば、昨今のコロナ危機では、在宅ワーク(テレワーク)や在宅授業がひと月ほどで一気に普及しました。これらは以前から導入が考えられていましたが、遅々として進まなかったものです。
人間は必要に迫られないとなかなか現状を変化させることが難しいもの。しかし、コロナのような危機に直面した際に、大きな変化をもたらすものであることは、今回の一件で身を持って体験したのではないでしょうか。
過去の歴史を遡れば、平成バブルが崩壊した時期には総合スーパーのダイエーやマイカルが経営破綻し、代わりにマツモトキヨシ、ウエルシア、コスモス薬品などのドラッグストアが台頭してきました。このような例から見ても、危機は見方を変えればチャンスにもなるといえるでしょう。
店舗ピックアップ(BOPIS)が小売の生き残りの道
ではコロナ危機のいま、小売店が生き残るための道とは何でしょうか。それはリアルとオンラインの融合であり、そのなかの一つの手法として「BOPIS(Buy Online Pickup in Store)」が挙げられます。
BOPISはオンラインで商品を注文し、店舗で商品を受け取るサービスのこと。コロナ危機の前からBOPISを展開する流れはありましたが、コロナ危機でより一層注目されることになりました。BOPISではオンラインで注文でき、最寄りの店舗で受け取れるため「三密」を避けることが習慣化した消費者に好まれます。
実際に牛丼チェーンの「吉野家」では、BOPISを用いることで3月の既存店売上高は減少していないとのこと。
非常事態宣言が解除された今でも、消費者心理・消費者行動はコロナ騒動前と同じとはいきません。新たな販売戦略が求められることになり、そのための方法の一つとしてBOPISが有効なのです。