2021年1月には二度目の緊急事態宣言も発令されましたが、スーパー各社は整然と対応しました。消費者も供給サイドもコロナ禍における経験を確実に積んでおり、一度目の緊急事態宣言発令時に比べて混乱もほとんど無かったと言えるでしょう。スーパーなどの供給サイドの対応では、緊急事態宣言の発令前後で対応が変わるところがほとんどなかったといえるぐらい、新状態が定着しているといえます。
今回は、コロナで進むスーパーの新常態について見ていきましょう。
安心安全を追求する防疫対策
新型コロナウイルスへの感染防止を目的とする防疫対策は、今や実施することは当たり前であり、買い物かごの除菌作業などはルーティーン化されています。イオンリテールの一部店舗では、「ジョキンザウルス」と呼ばれる自動カゴ除菌システムを導入しており、その他のスーパーでもレジには透明のボードやシートの設置が一般化しています。
加えて、従業員はマスクに加えてフェイスシールドを装着している場合も多く、安心安全を追求する防疫対策は万全のその先へと推移し始めています。
集客の平準化を目指した販促対策の変化
従来のスーパーの販促といえば「この曜日はコレが安い、だからこの日に来てください」というような手法が一般的でした。しかし、この販促方法はコロナを期に変化を見せています。
特定の曜日だけでなく数日間の幅をもたせたり、一定期間で使えるクーポン券に切り替えたり、月間単位のEDLP施策も広がりを見せています。そんななかで、イオンリテールは「火曜市」を廃止しており、アフターコロナにおいても復活する予定はないとのこと。
その理由として、火曜市で作る売上の山はオペレーションの平準化を妨げる課題でもあったと語られています。イオンだけでなく、多くのスーパーチェーンが同様に考えており、オペレーションの軽減も含めて過度な売上集中を是正しようとしています。
ネットスーパーがより重要になったオンライン強化
新型コロナウイルスの影響でネットスーパーはより重要になりましたが、多くの企業が昨年の緊急事態宣言家では急増した注文にキャパシティが追いつかなかったと振り返りました。ネットスーパーの存在が大きくなった今、今まで以上にオンライン強化に進む企業が増えています。
消費者はリアル店舗とネットで購入するものに違いがあり、購入方法を使い分けている人も多く現れています。そんななかで、リアル店舗の事業者はオンラインでの購入機会を用意しないと獲得できないニーズが出てきたと言えるでしょう。
スーパーでの買い物は、リアル店舗とネットの両方が必要になる、というのが今後の新常態として考えられます。
〈参照〉販促、ネットスーパー…2度目の緊急事態宣言で確認するスーパーが進む新常態のゆくえ/DIAMOND Chain Store