コロナ禍で経済社会の変化に対応するために中小企業などの事業再構築を支援する「事業再構築補助金」は、3月24日まで第5回の公募を実施しています。第6回以降の具体的なスケジュールはまだ公開されていませんが、実施される予定があるためまだ間に合います。
飲食店が事業再構築補助金を利用する例としてどのようなものが存在するのかを把握し、以降の申請に役立てましょう。
飲食店が申請できる「事業再構築」の例
事業再構築補助金の申請要件には「新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、指針に示す事業再構」とありますが、具体的な例としては次のようなものが挙げられます。
・新分野展開:店内の飲食スペースを縮小し、テイクアウト販売を実施
・事業転換:既存のジャンルから高い売上が見込めそうなジャンルを新たに開業
・業種転換:店舗を閉業し、高い売上が見込めそうなコンサルティング業を開業
・業態転換:店舗運営をやめてオリジナル食品のEC販売を開始
・事業再編:M&Aによって既存の飲食事業を譲渡し、食品製造事業を立ち上げる
上記の様な事業再構築に際し、建物の建築・改修費用や設備投資費、広告宣伝費、外注費、研修費などが補助の対象となります。
第4回で採択された飲食業の事例集
実際に事業再構築補助金で採択された事例としてはどのようなものがあるのでしょうか。第4回では19,673件の応募に対して、8,810件が採択されました。そのなかから、飲食業における採択の事例をいくつか見ていきましょう。
・ECサイト構築による「お肉のブーケ」のネット販売事業(東京都の焼肉店)
強みである精肉のカット技術を生かしたバラの花を模した冷凍精肉の盛り合わせをEC販売
・店舗依存型脱却に向けてのデリバリー事業(東京都の寿司店)
デリバリーに適合した事業展開のために、寿司の提供速度向上を狙い寿司ロボットを導入。
・大阪の予約困難焼肉店を関東で初出店(大阪府)
大阪の人気焼肉店が関東初進出。代表自身が本店で修行し、銀座の関東初進出店を手掛ける。
そのほかにも、第1回からの採択事例は公式サイトにまとめて紹介されているため、こちらも参考にするとよいでしょう。
2022年も3回程度の公募が予定されている
2022年3月22日現在、第5回の公募中ですが24日が期限となっています。以降の公募に関しては、2022年中に3回程度の公募が予定されているため事業再構築補助金の活用を検討されている場合は、第6回以降の活用に向けて準備を進めましょう。
さらに、第6回からは要件の緩和や通常枠の補助上限減額の見直し、複数枠の新設などが予定されています。