ECは消費者にとって一般的なものとなり、いまではあらゆるモノがインターネットで購入できます。そんななか、従来の電話を使った通販にAIを組み合わせる「テレAI」が登場しました。ネット通販が一般的となった現代で音声通販を利用する意味とは何でしょうか。
今回は、音声通販サービスのテレAIの特徴を紹介するとともに、今後のECについて触れていきます。
テレAIの特徴
テレAIはAI技術と電話を組み合わせたボイスコマース(音声通販)サービスです。テレ株式会社が2021年12月11日からサービスを開始しています。テレAIは電話で手軽に会員登録と商品注文ができる新しい音声通販サービスです。
電話で名前・住所・商品個数を話すだけで注文と会員登録が完了します。話すだけであるため高齢者やネットに不慣れな人でも扱いやすいとして注目されています。実際に2021年12月に行なわれた実験では、電話をかけた利用者のうち94.4%が最後まで注文できたとのこと。
ECサイトでは買い物かごに商品を入れても、決済まで行なわずに離脱する「かご落ち」が課題とされていますが、テレAIであれば高い確率で注文されるとして注目されています。
広がり続けるECのチャネル
近年ではECのチャネルが広がり続けています。従来のECのチャネルとしては、パソコンからインターネット経由でWebサイトにアクセスして購入することが一般的でした。
しかし、近年ではスマートフォンが普及し、スマートフォンから注文することも一般的となっています。加えて、スマートホームや今回のテレAIのように、さまざまなチャネルから商品を購入できるようになってきました。
消費者の「いま欲しい」という欲求を満たすために、あらゆるチャネルから購入できるように準備することが求められているといえるでしょう。
アナログな手法を切り捨てるのではなく、デジタルに活かすことが重要
テレAIはアナログな電話通販と最新のAIを組み合わせたサービスです。従来の電話通販ではオペレーターが待機しておかなければならず、人員や場所の確保も必要であり、対応できる時間も限られていました。
しかし、AIに任せることでそれらの課題をすべて解決できています。電話通販はアナログな手法として過去のものと捉えられがちですが、最新のデジタル技術と組み合わせることで新たな価値を生み出しました。
昨今人気の高まるフードデリバリーやテイクアウトなどのサービスも、従来はアナログな手法で実現していましたが、デジタル技術と組み合わせることで消費者にとって非常に利便性の高いサービスへと昇華しています。
従来のアナログな手法をどのようなデジタル技術と組み合わせ、新たなサービスとして生み出すかどうかが今後求められているといえるでしょう。