ローソンは、4月から持ち手部分に穴を開けて軽量化したプラスチック製のスプーンとフォークを導入することを発表しました。これはプラスチック資源循環促進法の施行に合わせたものです。
今回は、ローソンをはじめとするコンビニ各社で取り組みが始まるプラスチックの削減と併せて、プラスチック資源循環促進法の概要について見ていきましょう。
4月から実施される「プラスチック資源循環促進法」とは
2022年4月1日から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」が施行されます。この法律は、プラスチック廃棄物の排出の抑制や再資源化に資する環境配慮設計、ワンウェイプラスチックの使用の合理化、分別収集・自主回収・再資源化などの基本方針が策定されています。
プラスチックについて、単純に「捨てる量を減らそう」ではなく、「捨てることを前提としない経済活動をしよう」としている点が特徴です。近年、海洋プラスチックごみ問題や気候変動問題などを契機として、国内に置けるプラスチックの資源循環を一層促進する重要性が高まっています。これらを踏まえ、統括的に資源循環耐性を強化する目的で定められました。
プラスチック廃棄物を年間250トン以上排出する事業者、削減対象となる12品目の特定プラスチック製品を年間5トン以上扱う事業者に対して、削減に向けた目標の制定と対策を講じることが義務付けられています。
ローソンでは年間約67万トンの削減を見込む
ローソンは穴開きスプーン、フォーク、デザートスプーンの3種類を今回発表しました。加えてスプーンとフォークは長さを1cm削減し、スプーンは14.0%、フォークは10.0%、デザートスプーンは4.0%削減します。
22年上期中の全店導入を目標としており、東京都内の直営店3店舗から導入を開始します。この取り組みでは、年間約67万トンのプラスチック使用量の削減が見込まれるとのこと。さらに、木製スプーンの提供も開始し、関東と近畿地区の希望店舗からはじめて全国での導入を目指しています。
コンビニにおけるプラスチック削減は、ファミリーマートが2021年5月にスプーンの軽量化を発表しており、今後も広がると予想されます。
SDGsは単なる目標にとどまらない
今回のローソンの取り組みは、SDGsに通じるものです。SDGsは「持続可能な開発目標」ですが、社会課題として企業が取り組むべき課題になっています。
今後、SDGs対応は企業にとって当たり前のものとなるでしょう。SDGsは目標として捉えるのではなく、解決すべき課題として取り組むことが求められています。