カジュアル衣料大手のアダストリアの子会社であるアドアーリンクは、「来店客参加型店舗」として新業態の「OFF STORE」を新規にオープンしました。OFF STOREはサステナビリティに特化した店舗であり、従来の店舗とは一線を画する店舗です。
今回は、OFF STOREの概要と併せて、サステナビリティに特化した店舗を展開する狙いについて見ていきましょう。
来店客参加型店舗の「OFF STORE」とは
OFF STORE(オフストア)は、茨城県のイオンタウン水戸南店に2月25日にオープンしました。廃棄物を出すことなく、資源を循環させる「サーキュラーエコノミー」の実現を目指す店舗です。
アドアーリンクでは、子供服のおさがりシェアサービス「KIDSROBE」と衣服の残在庫を「黒染め」で蘇らせる循環型のファッションブランド「FROMSTOCK」を展開しており、この2つのサービスを店舗に常設することとしています。
KIDSROBEはサイズが合わなくなった衣類を持参することで、ほかの人が持参した衣類と交換できるサービスです。これまではオンライン上で完結していましたが、店舗での物々交換という形で実現します。
また、FROMSTOCKではキズや汚れなどのダメージが有る商品を黒染めによって新たな商品として再生し、販売するサービス。FROMSTOCKは捨てられるはずの約60%の服でできており、今あるものを楽しむ、本当に豊かなアップサイクルを目指しています。
ワークショプの実施も予定
OFF STOREは「来店客参加型店舗」として、今後はワークショップの実施も予定しています。
広報担当者は「今後はアーティストや地元スポーツ団体とのコラボレーションを通じ、地域に根ざしたイベントを開催する予定。アップサイクルが体験できるイベントや、子供向けのクラフトワークショップなども予定している」とコメントしました。
OFF STOREを通じて顧客同士がつながることもでき、まさに顧客参加型店舗になると予想されます。
SDGsに取り組むことでブランディングにつながる
OFF STOREの取り組みはSDGsに通じるものであり、この取り組みを通じて多くの顧客がアドアーリンクやアダストリアについて興味を持つことになるでしょう。
この取り組みはまさにSDGsを通じて企業のブランディングにつながるものであり、「SDGsブランディング」と呼べるものです。企業の経済発展とともに、社会課題の解決にも取り組むことで、すべての関係者がWin-Winになる取り組みといえます。
SDGsは「持続可能な開発目標」として、一見すると企業の経済発展には関係のないものに思えますが、企業ブランディングのために取り組む企業も多く存在します。今後、企業としてSDGsに取り組むことは、当たり前のものとなるでしょう。