一般社団法人の大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(大丸有協議会)は、屋外から店内店舗への遠隔注文とロボット走行による商品配送の実証実験を1月に行いました。実験には同地区で働く人や来街者を中心とした約100人が参加し、同時にアンケートも実施されています。
今回は、大丸有協議会が行ったロボットの実証実験と併せて、実験に参加した人々のロボットに対する意向について見ていきましょう。
外から店舗への注文に対する配送をロボットで実施
大丸有協議会は、アイサンテクノロジー・三菱地所・三菱地所設計・丸の内仲通りと協力し、ロボットの実証実験を行いました。実験では、丸の内仲通りアーバンテラスに設置されたテーブルから、スターバックスコーヒーの「丸の内三菱ビル店」に遠隔注文を行い、商品をロボットがテーブルまで配送するものです。
今回の実験は2021年度の「国土交通省(都市局)/スマートシティモデルプロジェクト(継続採択/3年目)」の一環として行なわれ、一定の成果を得られたことから実用化を検討しているとのこと。
「汎用的な3Dデジタルマップ構築」による走行テスト
3Dデジタルマップは、屋外の3Dデジタルマップデータと建築BIMデータと呼ばれる屋外の建物のデータから仮想空間上で汎用性のある3D環境を形成したものから作成したデータです。
おもにロボットの自己位置推定に利用する3次元座標値の点の集まりである「点群データ」について、従来のレーザースキャナによる実測から得たデータと、今回の屋内外のデータ統合による仮想空間で作成したデータで走行シミュレーションを行い、精度を比較しました。
その結果、仮想空間の点群データについて、ロボットが走行可能な品質であることが確認できています。
ロボットの活用に肯定的な人が100%という結果に
実験に参加した約100人に実施したアンケートによれば、「今後も仲通りの空間活用の向上のため、ロボットを活用したさまざまな実証・実装が行なわれることを期待する」と回答した人は100%となりました。
また、「日常でロボットが活躍するのが身近になる」「屋外の活用の仕方が広がる」「もっと便利になってほしい」など、ロボットフレンドリーな環境形成を進めることに肯定的な声も寄せられています。
少子高齢化や新型コロナウイルスの影響による働き方の変化など、昨今の労働環境には大きな変化が見られています。ロボットの活用は以前から注目されていましたが、今後はより重要視されることになるでしょう。