日本では2018年頃から耳にする機会が増えているDXですが、飲食店においては昨今の新型コロナウイルスの影響でより重要視されるようになってきています。飲食店におけるDXとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
飲食店が抱える悩みを解決するためのDX活用法として、いくつかの例を紹介します。
飲食店が抱える3大課題とDXにおける解決策
昨今の飲食店が抱えるおもな課題・悩み事としては、次の3点が挙げられるでしょう。
・客足が戻らない
・人手が足りない
・リピーターを獲得できない
コロナ禍で外出を控える人が増え、コロナ以前の客足が戻らないと悩んでいる飲食店は少なくありません。集客については、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを活用することが有効です。その他にも、Googleマップなどの地図サービスに掲載される情報を充実させることも集客につながります。
人手が足りない問題はコロナ以前から存在していましたが、コロナ禍では深刻化しています。業務の効率化や省人化は今後の飲食店においては欠かせない要素となるでしょう。近年注目されているDXの施策としては、各テーブルにタブレットなどのモバイル端末を設置し、顧客自身に注文をしてもらう「テーブルオーダーシステム」が挙げられます。また、顧客のスマートフォンを使って注文を行う「モバイルオーダー」も普及し始めており、ホールスタッフの省人化や業務の効率化のための手段として導入が進められています。
飲食店を続ける上で、リピーターを獲得することは非常に重要です。顧客に「もう一度通いたい」と思ってもらうためには、顧客分析を行い一人ひとりに合わせた施策を行なうことが重要でしょう。詳細な顧客分析のためには、顧客管理機能を有する予約システムやPOSレジを活用するだけでなく、テーブルオーダーやモバイルオーダーなどからも顧客情報を取得し、データ化することが求められます。来店した顧客の属性や来店回数、注文内容などのデータが蓄積され、一人ひとりの属性に合わせた情報やサービスの提供を的確に行なえば、再来の促進と併せて顧客満足度の向上につながります。
DX推進で活用したい補助金制度
DX推進ではシステムの導入やモバイル端末の導入などで資金が必要になります。それらを補助するための補助金制度も多く存在していますので、上手に活用することが重要です。補助金制度の一例として「IT導入補助金」や「ものづくり補助金(デジタル枠)」が挙げられます。
・IT導入補助金:中小企業や小規模事業者がDXなどのためにITツールなどを導入した際の費用を補助
・ものづくり補助金(デジタル枠):DXのためにデジタル技術を用いた生産プロセスやサービス提供方法の改善等に取り組む事業者が対象
その他にも補助金制度は存在しているため、まずはDX推進のためにどのような施策が必要かを考え、これらの制度を活用して進めてみてはいかがでしょうか。