デジタル庁は1月7日に、2030年頃をめどに個人が幼児教育から生涯にわたる学習データを一元的に管理できる仕組みを構築する教育のデジタル化の工程表を発表しました。工程表はデジタル庁・文部科学省・総務省・経済産業省が共同で策定したものです。
今回は、生涯学習データの一元管理によってなにがもたらされるのか、概要からメリットなどについて見ていきましょう。
個人の生涯学習データを一元管理する仕組みの工程表を発表
デジタル庁は短期目標として2022年中に教育現場の通信環境を整備し、学校業務のデジタル化を進めることとしています。2025年までの中期目標ではパソコンやタブレット端末を日常的に使用することで教育データを収集し、学校と自治体間で連携させることを目標としました。
その後、2030年頃までに個人は自身のデータを管理できるようにし、個性に合わせた学習を受けることもできるようになるとのこと。収集した教育データは学習履歴や在籍校、出欠状況などの個人情報の他、教職員の勤続年数や各学校の児童生徒数などが含まれます。
教育のデジタル化によってもたらされるもの
教育のデジタル化により、生涯学習データを収集できるようになることで個人は学習履歴に合わせた指導や行政支援を受けることができるようになります。また、社会人になってからも職業訓練や生涯学習で活かせるため、より効率的かつ適切な教育を受けられるようになるでしょう。
それだけでなく、民間事業者は匿名化したビッグデータを使って、教材の開発などのビジネスに繋げることも可能です。新たな教材や指導方法の開発などに役立てられ、日本の教育を大きく変える可能性を秘めています。
日本社会を大きく変える可能性
現在の日本の教育は標準化され、誰もが画一的な知識・教養を身につけることができるような仕組みとなっています。文字の読み書きをはじめ、必要最低限の基礎知識・教養は学校教育でほぼすべて身に付けられるといってよいでしょう。
しかし、ITの進化などにより専門的で高レベルの教育も必要になってきています。学校教育では身に付けられないお金に関する教育なども重要ですが、現在の標準化された教育のみでは難しいといえるでしょう。
教育のデジタル化により、生涯学習データを管理できるようになることで能力を持った人材に適切な教育を施せるようになり、教育のあり方は大きく変わると考えられます。