AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組むエクサウィザーズは、スギ薬局と小売業に向けた「品揃え最適化AI」を共同開発したことを1月5日に発表しました。小売におけるAIの活用事例として注目されており、今後欠かせないAIの活用方法として参考になるでしょう。
今回は、スギ薬局×エクサウィザーズの品揃え最適化AIについて紹介します。
「最適な品揃え」を追求した「品揃え最適化AI」
品揃え最適化AIは、スギ薬局全国約1450店舗の利用客の購買行動や地域特性を踏まえ、最適な品揃えを追求するためのAIです。小売業にとって最適な品揃えを追求することは、売り場生産性の向上だけでなく、より良い顧客体験を提供するために重要な戦略課題です。
最適な品揃えを実現するためには、日々変化する顧客ニーズや購買行動の変化などに対応した棚割りの作成が必要不可欠ですが、商品の組み合わせパターンが膨大になることからマニュアル化しづらい点が課題でした。また、棚割りの商品の決め方が属人的になり、売上効率を最大化させる組み合わせの実現・再現が難しい点も課題として挙げられます。
このような課題に対して、品揃え最適化AIは売り場生産性の向上と、より良い顧客体験の提供を支援します。
品揃え最適化AIの2つの機能
品揃え最適化AIは、数理最適化技術を用いることで膨大な商品数から売上効率を上げる組み合わせを自動化する「品揃えパターン生成」、過去の商品の購買情報をもとに商品の大体可能性を分析する「代替可能性分析」の2つの機能を持ちます。
品揃えパターン生成では、対象商品リストや売上情報などをもとに、売上効率を上げる商品の組み合わせを自動で算出する機能です。ドラッグストアだけでなく、小売店で取り扱う多種多様な商品カテゴリーに対応しており、売り場生産性向上に役立てられます。
代替可能性分析は対象商品の過去の購買傾向をAIが解析し、類似した商品を特定するとともに、特定の商品に対して別の商品を購入する可能性を算出します。カットしても売上が減少しづらい商品構成の実現や、売れ行きが高い商品を増やす事による売上増など、売り場効率を高める施策の実現が可能です。
スギ薬局のシミュレーションで売上増を達成
スギ薬局では導入前にシミュレーションを実施しました。棚割りに向けた品揃えパターンを作成していた業務をAIによって標準化することで、一定の売上増が期待できることがわかっています。
このシミュレーション結果をもとに品揃え最適化AIの運用を開始し、今後はスギ薬局全店舗において陳列商品の最適化を行っていく予定としています。