2021年12月9日に三菱地所と中川政七商店は、学生が本気で商売を学び実践する新プロジェクト「アナザー・ジャパン」を開始することを発表しました。「私たちがつくる、もうひとつの日本」をコンセプトに、学生が仕入れから経営までを学び実践する新たな教育モデルとして展開されます。
今回は、アナザー・ジャパンの概要からプロジェクトの目的について見ていきましょう。
47都道府県地域産品セレクトショップを経営
アナザー・ジャパンは各都道府県出身の学生が自らの地元をPRすべく、47都道府県地域産品セレクトショップを経営するプロジェクトです。三菱地所が東京駅日本橋口前に位置する常盤橋街区で開発を進めている「TOKYO TORCH」において実施されます。
2021年12月9日から第1期生を募集し、2022年8月に第1期店舗をTOKYO TORCH D棟1階に開業する予定です。第1期店舗では日本全国を6ブロックに分け、1年を通して2ヵ月単位で特集地域を切り替えます。
学生が地元をPRすべく現地でセレクトした地域産品が並ぶ物販ゾーンにカフェを併設し、手軽に産地旅が楽しめるよう設営する予定です。また、2027年度には第2期店舗をTorch Towerにオープンする予定であり、継続してプロジェクトは続けられます。
プロジェクトが目的とする教育
今回のプロジェクトでは、これまでの横並びで正解を学ぶスタイルに着目し、学生自身が仕入れや収支管理、店舗づくり、プロモーション、接客を自ら考えて実践するスタイルとなっています。
経営には正解がなく、経営という大きなカリキュラムに取り組みながら意思決定力と商売力を培う実践型教育が目的です。
三菱地所はプラットフォームを提供するとともに事業立ち上げに関わる経営を託し、中川政七商店は小売業のノウハウ提供やメンターとして経営に伴走。より多くの学生が経営に参加するチャンスを生み出すこととしています。
プロジェクトを通した最終的な目標
アナザー・ジャパンは学生と地元企業をつなぐことで、地方での就職・企業など東京から日本各地への新しい価値観源の仕組みを創出し、「日本の未来を作る人材の輩出」を目指しています。
「将来地元に関わりたいけれど、何ができるかわからない」「そもそも地元の企業を知らない」など、若い世代の多くが地元と関わる術や接点がない現状に対して、プロジェクトを通し地元理解や郷土愛の深まり、地方での就職・起業など将来への関係人口を増やすことを狙いとしています。