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ICリーダーを活用し年10億件のデータを収集するスシロー

広報部

2022.01.20

回転すしチェーン「スシロー」を運営する、あきんどスシローは、年間約10億件ものデータを集めて事業に役立てています。大量のデータは具体的にどのようなことに活用されているのでしょうか。

今回はスシローが展開するデータ収集・活用基盤について触れていきます。

ICリーダーとクラウドを活用したデータ活用基盤

スシローでは2002年から皿にICチップを取り付ける試みを開始しました。当時は一部店舗でのみ運用していましたが、現在では海外出店店舗も含めて1年で約16億皿ものすしを提供し、年間10億件のデータ収集を実現しています。

ICチップはネタの写真や説明を書いた「サンプル皿」には、「まぐろ」や「たまご」などのネタ情報と紐付いたICチップを取り付けています。すしの皿には特定のネタとは紐付かないICチップを取り付け、レーンの間取り角に取り付けたICリーダーで読み取ることでレーン状を流れる皿の数やどのすしが何個取られたかなどを把握することが可能です。

このようにして集められたデータはFOOD&LIFE COMPANIESがクラウドサービス(AWS)上に構築したデータ分析基盤に送信し、データ格納システムに保存する仕組みとなっています。

加えて、データ格納システムには皿から集めた情報だけでなく、POSレジの支払い情報やテイクアウト商品の販売情報なども集約され、店舗などのBIツールから確認できる仕組みです。

データの活用によるフードロス削減、利益率の改善

このように集められたデータを活用することで、スシローではフードロスの削減や利益率の改善に役立てられています。

フードロス削減のために寿司ネタごとの人気度や注文端末の操作ログ情報などを活用し、発注する材料の数を調整しています。フードロスを削減することは利益率の向上にもつながり、各店舗でデータをもとにフードロスになりやすい材料の発注数を調整することで利益率の改善ができているとのこと。

その他にも、ネタの鮮度管理にも活用されており、皿のICチップの情報をレーンの間取り角に取り付けたICリーダーで読み取った回数によって時間が経ったものは取り除き、鮮度を一定に保つための仕組みが構築されています。

スシローでは2012年にデータ分析基盤のクラウド化などを進め、データ活用の体制を整えた結果、2018年頃から継続的に10億件規模のデータを集められるようになりました。今後は店舗の拡大にともないさらに増えるデータ量に対して、自前で構築した従来のデータウェアハウスをSaaS型データウェアハウスに切り替えるためのプロジェクトを進めています。

〈参照〉皿から10億件の情報収集 スシローが「データ活用すし屋」になっていた

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