大丸松坂屋百貨店は2021年12月4日~19日の期間限定で、次世代型店舗「バーチャル大丸・松坂屋」を展開しました。バーチャル大丸・松坂屋は、HIKKYが開催する世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット2021」にて展開されています。
今回は、バーチャル大丸・松坂屋やバーチャルマーケット2021の概要について触れ、今後の新しい小売形態の姿について見ていきましょう。
バーチャルマーケット2021、バーチャル大丸・松坂屋とは
バーチャルマーケット(Vket)は、メタバース(仮想空間・仮想世界)の会場でアバターなどの3Dアイテムやリアル商品を売り買いできる世界最大のVRイベントです。2021年は3回目の開催となっており、現実世界の渋谷そっくりに作られた「パラリアル渋谷」が展開されました。
バーチャル大丸・松坂屋は、パラリアル渋谷の中に歴史と伝統を感じさせる和テイストのビルとして登場しています。顧客は自由に動き回り、食品3Dモデルを手にとって商品の形状を確認したり、バーチャルカタログで詳細を見たり、商品を購入したりすることが可能です。
クリスマス・年末年始にぴったりなローストビーフやカニ鍋、スイーツなどのグルメが2,700点以上揃えられました。
バーチャル大丸・松坂屋が注力するECとの違い
バーチャル大丸・松坂屋では、ECサイトとの違いとして商品との偶然の出会いを提供することに注力しています。会場内には上空から雪が降る温泉が設置されており、メタバースならではの要素を楽しめるように作られていました。
また、100人以上の顧客が集う「メタバース宴会」を開催し、大丸松坂屋百貨店のスタッフがアバター姿で接客する試みも行われています。YouTube配信も同時に行ない、コメントを読みながらおすすめグルメ商品を紹介しました。
加えて、バーチャル大丸・松坂屋ではリアル食品の販売だけでなく「食品3Dモデル」の販売も実施。さまざまな3Dモデルを使ってコミュニケーションを行なうメタバースにおいて、ビールの3Dモデルを持って乾杯をしたり、スイーツの3Dモデルを使って誕生日などのお祝いを演出したりとさまざまな楽しみ方が存在します。
そのような「V呑み」を応援したいという思いから食品3Dモデルの開発・販売を実施しました。
コロナ禍でより注目を集めるVRの世界
コロナによって対面での接触を避けるようになった昨今でも、コミュニケーションを取る重要性は変わりません。方法が変わっただけであり、インターネットやバーチャル空間上でのコミュニケーション手段は重要視されています。
ECにおいても顧客とのコミュニケーションは課題になると考えられ、バーチャル大丸・松坂屋が実施する取り組みは、今後の小売形態に大きな影響をもたらすこととなるでしょう。