
株式会社神戸物産とソフトバンク株式会社は、AIなどを活用して顧客の満足度向上を実現する次世代型スーパーの実験店舗を8月にオープンしました。小売業界が抱える人手不足の課題解決や、新しい買い物体験の創出の場として注目されています。
今回は、両社が実施する次世代型スーパーの概要について見ていきましょう。
「業務スーパー天下茶屋駅前店」で実施される次世代型スーパーの検証
神戸物産とソフトバンクは、8月にオープンした「業務スーパー天下茶屋駅前店」を実験店舗として構築しました。
業務スーパーは神戸物産がフランチャイズ本部として全国に900店舗以上を展開する食品スーパーです。ソフトバンクは同点で顧客満足度の向上を実現するための取り組みを実施し、その効果や運用方法を検証することとしています。
3つの主な取組内容

業務スーパー天下茶屋駅前店では、おもに次の3つの取り組みが実施されます。
- AIカメラによる品切れ自動検知
- レコメンドカートの導入
- AI活用によるレジの待機人数予測
AIカメラによる品切れ自動検知では、陳列棚の映像をAIカメラで解析し、品切れを自動で検知してスタッフに知らせるシステムです。導入することで最適なタイミングでの商品補充が可能になり、スタッフの業務量や人件費の削減が期待できます。
レコメンドカートはタブレットが設置されたショッピングカートであり、顧客がタブレットから商品のバーコードを読み取ると、AIが導き出したおすすめ商品やレシピをタブレットに表示します。タブレットに表示されるQRコードを読み取ることで店外でもレシピを確認することが可能であり、顧客の購買意欲に対する影響を検証することが導入の目的です。
レコメンドカートとレジを連携させればセルフレジとしても利用できるため、店舗の省力化にも期待できます。
また、店内に設置したカメラ映像をもとに入店人数やレジの待機人数、精算にかかる時間などをAIで分析することでレジ待機人数を予測します。曜日や時間帯ごとのレジ稼働台数やスタッフの配置などに活用でき、顧客の待ち時間の削減にも効果が期待できるとのこと。
加速するスーパー業界の変化

新型コロナウイルスの流行によって、スーパー業界でもデジタル化の流れが加速しています。ネットスーパーにより注力する企業や、ドライブスルー形式の受取サービスを提供する企業などさまざまです。
今後、新型コロナウイルスが収束に向かえば店舗への客足も徐々に増えていくことが予想されます。今回の実験店舗のような次世代型スーパーは、その際に大きな存在となるでしょう。
