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インターネットが発達した近年でも、日本では選挙などの投票の際にはインターネット投票は実現していません。2021年6月11日には「インターネット投票の導入の推進に関する法律案」が衆議院へ提出されるなど、徐々に進みつつありますが、つくば市ではいち早くインターネット投票の実現に向けたトライアルを実施していました。
今回は、つくば市が実施したインターネット投票の概要と併せて、今後押さえておきたい「Society 5.0」について触れていきます。
ブロックチェーン、マイナンバー、顔認証技術の組み合わせにより実現
つくば市では、2019年にブロックチェーン・マイナンバー・顔認証技術を組み合わせたインターネット投票の実証実験を行いました。それぞれの組み合わせは、各課題を解決するために活用されています。
- ブロックチェーン:データの非改ざん性の担保
- マイナンバー:本人認証の強化
- 顔認証技術:本人認証による利便性の向上
つくば市では平成30年度にも同様の実証実験を行っていましたが、本人認証の際のパスワード入力の煩わしさ、場所の制約、投票処理速度の遅さなどが課題として挙げられていました。
そこで、2019年に実施された実証実験では、ブロックチェーン・マイナンバー・顔認証技術を組み合わせ、時間と場所の制約を受けず、誰もが簡単に投票でき、データの非改ざん性まで担保したインターネット投票が実現しています。
つくば市ではSociety 5.0社会の実装に向けたトライアルをサポート
この実証実験は、つくば市の「Society 5.0社会実装トライル支援事業」として行われました。
つくば市は「世界の明日が見えるまち」というビジョンのもとで、革新的なアイデアで社会課題を解決するSociety 5.0の社会実装に向けたトライアルを全国から公募し、優れた提案を全面的にサポートする取り組みを行っています。
Society 5.0はサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society)を表すものです。
Society 4.0の情報社会から進化した新たな社会として、IoTやAI、ロボットなどを活用して、より高度な社会を目指しています。
Society 5.0社会の実現はあらゆる変化をもたらす
つくば市の実証実験は、社会に大きな影響をもたらす可能性があります。これは、Society 5.0の実現による社会の変化によるものです。
Society 5.0では新たなニーズが生まれ、従来とは異なる企業努力が求められることになるでしょう。新型コロナウイルスの影響で顧客ニーズは多様化し、さまざまな対応が求められているいま、Society 5.0が実現する一歩手前の状況といえます。