企業として存続し続ける場合、顧客(カスタマー)となる存在の理解は欠かせません。カスタマーとなる対象は一般消費者の場合もあれば、企業が対象となる場合もあるでしょう。しかし、共通してカスタマーセントリック(顧客中心主義)の考え方は、いずれも重要な考え方となります。
この記事では、カスタマーセントリックの概要と併せて、カスタマーセントリックな企業になるための3つの原則と要件を紹介します。
カスタマーセントリックとは?
カスタマーセントリックは顧客中心主義の考え方であり、近年の市場状況を考えると企業にとって欠かせない考え方となっています。現在はモノがあまり多く売れない時代といえ、現状を多方面から分析した上で売れ続ける仕組みを作らなければなりません。そのための考え方としてカスタマーセントリックが有効です。
しかし、カスタマーセントリックは顧客の言いなりになることとは違います。顧客をよく知ることは当然ながら、ときには顧客すらも知り得ない潜在ニーズを発見し、それに基づいて企業としてやるべきこの方針を決め、具体的な施策に落とし込んでいくことこそが、真のカスタマーセントリックと言えるでしょう。
カスタマーセントリックな企業になるための3つの企業文化の原則
カスタマーセントリックな企業を目指す場合、次に上げる3つの原則を企業文化として適用できている必要があります。
- 「自分がカスタマーなら」と思って考える
- 事業全体が素晴らしいカスタマー体験に向け首尾一貫している
- 企業全体が共通の経営目標のもとで一枚岩になっている
カスタマーセントリックな企業を目指す上でカスタマー「のことを(About)」考える企業が多いものですが、重要なのはカスタマー「だと思って(Like)」考える必要があるということ。カスタマーの考え方や視点、優先順位、発想方法、行動パターンなどを深く理解することそのものです。
また、事業・組織で一貫した考えを持ち、会社で働く一人ひとりの全員がより良いカスタマー体験を提供することに向けて積極的に考え、仕事をするようでなければなりません。
カスタマーセントリックな企業になるための3つの要件
原則とは別にカスタマーセントリックな企業になるための3つの要件についても簡単に紹介します。具体的な施策として落とし込む前に一度確認してみてはいかがでしょうか。
- カスタマー体験の良否を数字で測定していて、それが会社の経営目標とリンクしている
- 意思決定をするときは常に「自分がカスタマーならGoか?」という視点で考え、カスタマーのためになることが常に最優先で意思決定される
- カスタマーの声を収集していて、それをプロダクトやプロセスに反映するフィードバックループが回っている
2つ目に関しては、ある会社では役員会でCEOの横に常に空席を1つ用意し、そこにカスタマーが座っていると考えて議論し意思決定をするという事例があります。
ここまでに紹介した3つの原則と要件をもとに、カスタマーセントリックな企業を目指してみてはいかがでしょうか。