2021年5月13日に、富士通株式会社は同社のAI映像解析ソリューション「GREENAGES City wide Surveillance」がイオンリテール株式会社のAIカメラシステムに採用されたことを公表しました。イオンリテールは店舗のスマートストア化を目的として導入しています。新型コロナウイルスの影響によって変わる消費者行動をより的確に掴み、最適な店舗運営を実現するためのものです。
今回は、AI映像解析ソリューションの概要と併せて、ニューノーマルな店舗運営に求められることを紹介します。
AIカメラシステムを導入した背景
イオンリテールでは2020年から「店舗のスマートストア化」を推進しています。この取り組みではスマートフォン端末を活用した会計システムを導入するなどの様々な取り組みを実施してきました。
この背景には、新型コロナウイルスの影響による顧客と従業員双方の3密を避ける目的や、店舗運営のニューノーマル化を進める中での従来のマーチャンダイジングや店舗づくりからの脱却などの課題解決が挙げられます。
従来は接客や酒類の販売に際しての声がけ、レイアウトの検討などについて経験に基づいた判断が優先されていましたが、AIカメラと解析ソリューションを組み合わせることで安心・安全な店舗運営、接客品質の向上が実現します。
「GREENAGES City wide Surveillance」でできること
富士通のGREENAGES City wide SurveillanceはAIを活用して次のような店舗分析を実現します。
- 人物検知、年代推定機能による安心・安全な店舗運営や法令遵守の支援
- 接客対象者検知による接客品質の向上
- 顧客行動分析データに基づく店舗計画
AIを活用して人物を検知し、店内の人数をリアルタイムにカウントすることで3密を避けた店舗運営が可能に。また、人物行動検知技術を用いており、顧客の商品への手伸ばし行動の情報や売り場での滞在時間をもとに購買意欲が高いと推定される顧客を検知して従業員に知らせることで迅速かつ最適なタイミングでの接客に繋げられます。
その他にも、来店する顧客の人数や属性、回遊特性をAIで分析・学習することで、客観的なデータに基づいたより買い物しやすい店内レイアウトや品揃え計画の立案支援も可能です。
ニューノーマルな店舗運営の実現
今回のAIカメラシステムは2021年中に本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」76店舗に展開される予定です。
新型コロナウイルスの影響により、消費者行動が大きく変化したいま、店舗運営にも新しい対応が求められています。加えて、プライバシーの問題にも考慮する必要があり、昨今のAIカメラでは個人情報を取得しない収集データの取得が可能である点が特徴です。
変わりゆく社会情勢に併せたニューノーマルな店舗運営の実現には、AIカメラの存在が欠かせないものになってきています。
〈参照〉イオンリテール様が店舗のスマートストア化に向けて、AI映像解析ソリューション「GREENAGES Citywide Surveillance」を採用/富士通株式会社