2021年11月29日に、リンガーハットは地震などの災害などの非常事態にも対応できる需要予測AIを開発することを発表しました。需要予測AIはシリコンバレー発のAIベンチャー「PALO ALTO INSIGHT」との共同開発です。
今回は、リンガーハットが開発をすすめる需要予測AIについて見ていきましょう。
PALO ALTO INSIGHTとの共同開発
PALO ALTO INSIGHTはAIの活用提案からビジネスモデルの構築、AI開発と導入までの一貫した支援を日本企業へ提供することを目的に、2017年に創業したAI企業です。リンガーハットと共同で開発する需要予測AIは、災害などの非常事態やコロナのような感染症拡大といった緊急事態にも対応できるAIの開発を目的としています。
災害などの非常事態・緊急事態が発生した場合には、即座に緊急時用の設定に移行することで柔軟な対応を実現。需要予測AIでは過去の販売実績や気象情報などをもとに売上を予測しますが、その他にも適切な在庫やスタッフの数を管理する「自動発注アプリ」や「店舗シフト管理アプリ」も開発されます。
22年秋には全国の店舗に本格導入予定
2021年12月からはリンガーハットの社内で売上予測モデルの運用が開始されます。2022年3月にはテストバージョンの店舗シフト管理アプリを開発し、4月~5月にかけて実店舗でテスト運用をした後、2022年秋には全国の店舗に本格導入される予定です。
全国約700店のリンガーハット、とんかつ濵かつに導入され、コロナ禍で変化した消費者需要の予測や、飲食業界が抱える人手不足・食品ロスの解決を目指します。
コロナを機に需要予測の重要性が高まる
コロナ禍では生活様式の変化に伴って消費者の行動様式も変わりました。そのため、従来の需要予測モデルは通用しづらくなっている状況です。リンガーハットでは今後もさまざまな事態に備えて、あらゆる環境下で柔軟に対応できる強靭な需要予測モデルの開発が不可欠であると考え、今回の開発に至ったとのこと。
飲食業界は特にコロナの影響を受けた業界であり、需要予測の重要性は非常に高まっているといえるでしょう。しかし、飲食業界以外でも消費者の生活様式の変化によって、従来どおりの需要予測は通用しづらくなっていることが考えられます。
昨今さまざまな企業でデジタル化が進められていますが、効率化だけでなくデータを収集・分析するためにもデジタル化は欠かせません。今後の需要予測を最適なものとするためにも、デジタル化は重要なのです。
このような状況の中、需要予測の重要性はさらに高まると考えられるでしょう。