2021年9月8日に、原宿に新たな複合施設「Section L Pop-up House」がオープンしました。施設内には話題のフードクリエイターが出店する食のセレクトショップや、D2Cブランド向けのコミュニティースペースなどが展開され、Z世代の「たまり場」をコンセプトとしています。
そんななかで注目を集めているお店が、デジタルデトックスをコンセプトに掲げるドライフラワーカフェの「HANARIDA」です。今回は、デジタル社会に需要が高まるデジタルデトックスをコンセプトとしたHANARIDAについて見ていきましょう。
デジタル世代にこそ必要なデジタルデトックス
HANARIDAはフラワーアーティストの手によって彩られた店内で、ドライフルーツ入りの食べられるお茶「咲茶」やシーシャ(水タバコ)のような「花煙」を楽しめるカフェです。
HANARIDAではデジタルデトックスをコンセプトとしており、店内のロッカーにスマホを預けるとドリンクが一杯無料となるほか、毎週日曜日はデジタルデトックスデーとして電子機器の使用を禁止しています。
コロナ禍でオンラインのつながりが増えるなかで、あえてオフラインのつながりを重視するHANARIDAは、デジタルネイティブのZ世代が多く集まる原宿のなかで際立つ存在となっています。
重要なことは「カフェでの体験を誰かに言いたくなるかどうか」
昨今の飲食店では集客においてSNSを活用することは非常に重要です。しかし、HANARIDAはデジタルデトックスをコンセプトにしており、店内でのスマホ等の使用が難しいなかでどのように対応しているのでしょうか。
HANARIDAのオーナーである今滝氏は「僕が大事にしているのは『カフェでの体験を誰かに言いたくなるかどうか』、それから『来てくれた人に自分たちのサービスをちゃんと好きになってもらえるかどうか』の2つです」とコメントしています。
SNSを活用した集客方法の一つとして、インフルエンサーに依頼することが考えられますが集客につながらない可能性も考えられます。それよりも、顧客一人ひとりが友人や知人に口コミで勧めてくれたほうが広まることもあるでしょう。
HANARIDAでは顧客一人ひとりの満足度を向上させることに注力することでカフェのファンを生み出し、結果として集客につながると考えられています。
デジタル社会にこそ高まるかもしれない需要
原宿の遊休不動産を活用したSection L Pop-up Houseの2階に店を構えるHANARIDAは、12月末に一旦閉店する予定です。その後別の場所でオープンすることを計画しており、ブランドとしてもさらに進化を遂げています。
デジタル化が進み、誰もがデジタルを活用せざるを得ない現代の社会において、HANARIDAのコンセプトは逆行するような印象を受けるでしょう。しかし、そんなデジタル社会だからこそ、デジタルデトックスの需要もまた高まっていると考えられます。