量子コンピューターとAIを活用した企業向けクラウドプラットフォーム事業などを手掛けるグルーヴノーツは、惣菜製造企業5社と連携して惣菜注文料の予測などの実証事業を開始することを発表しました。この実証事業は、日本惣菜協会のほか、グルメデリカ・デリカスイト・ニッセーデリカ・ヒライ・マックスバリュ東海との連携で行われます。
AI/量子コンピューターを活用したグルーヴノーツの予測実証事業
グルーヴノーツは経済産業省が推進する2021年度「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に昨年度に引き続き参画し、業界共通のモデル構築に取り組むこととしています。
グルーヴノーツのAIと量子コンピューターを活用できるプラットフォームである「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を活用し、惣菜の注文量の予測やシフト計画の最適化などを行う予定です。
今回の実験のなかでは、必要な製品を必要な量だけ鮮度を高く製造するための高精度な注文量の予測モデルを開発し、需要予測に必要なデータの標準化・共通化を推進することとしています。加えて、複雑な現場条件を加味したシフト最適化モデルの開発も行われる予定です。
弁当・惣菜などの製造工場における課題
弁当や惣菜などの製造工場では、販売店からの注文に応じて多品種の製品が製造されていますが、納入までの期間が短いことや日々の製造量は前日夜に確定することから廃棄ロスが発生しやすい、という課題が挙げられます。また、製造量に応じたシフトのアサインができずに余剰人員が発生することも大きな課題の一つです。
これらの課題に対して、グルーヴノーツのMAGELLAN BLOCKSを活用して業界で標準的に導入できるAI/量子コンピューターの活用環境の構築を目指すことが実証事業の目的です。
業界共通のロボフレ環境モデルとなるか
実証事業の成功は、コストの削減だけでなくロボットを導入しやすい環境(ロボフレ環境)の整備にもつながると見られています。量子コンピューターを活用した複雑な現場条件を加味したシフト最適化モデルは、人とロボットの共存を考慮したシフト計画も高速かつ自動で実現できるようになります。
MAGELLAN BLOCKSの実績としては、2020年度に一つの製造工場でAIを活用した注文量予測では約96%と制度の高い予測が実現しました。また、量子コンピューターを活用したシフト表作成は約130人が対象となる複雑なものも約4分で実現しています。
人手不足の日本社会において、業務の効率化や最適化は喫緊の課題の一つです。グルーヴノーツのMAGELLAN BLOCKSのように、AIなどの先端技術を活用した事例は今後更に増えていくことでしょう。