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数字で見るコロナ禍の消費の変化-テイクアウト、テレワークによる影響大

広報部

2021.10.21

新型コロナウイルスの影響によって生活様式が変わるなか、私達の消費行動にも大きな変化が見られました。テイクアウトやデリバリー、テレワークなどによってどのように消費は変わったのでしょうか。

この記事では、テイクアウト・テレワークを中心に数字を用いて消費の変化を見ていきましょう。

テイクアウトの影響による消費の変化

飲食関連は全体的にコロナ以前と比べると苦境が続いていますが、そのなかでも好調をキープしている企業の一つにマクドナルドが挙げられます。マクドナルドの既存点売上高は8月前年同月比で5.3%増となり、緊急事態宣言が続いたなかでも14ヶ月連続で前年実績を上回りました。

マクドナルドは「外出の自粛で店内客は減っているが、それを上回るテイクアウトやデリバリーの利用がある」とコメント。総務省の家計調査をもとにした読売新聞の集計でもハンバーガーの消費支出はコロナ前に比べて20%増えていることがわかっています。

外食の消費支出は飲酒代83%減、和食25%減、中華そば24%減となっており、ハンバーガーの好調さが際立つ結果となりました。

テレワークによる消費の変化

テレワークの普及によってオフィスに出社することが少なくなり、これまでビジネスで必須だった商品は苦戦しています。背広服は47%減、ワイシャツは31%減となり、新しい働き方に合わせた対策が必要に。そのため、紳士服チェーンはオンライン会議に出席する際の服装に着目し、ストレッチ素材のスーツ風商品を投入することでテレワーク需要の取り込みを強化しています。

その他、1~7月の消費支出ではパソコンが昨年同月比で50%増、照明機器が63%増と大きく伸びました。自動車はガソリン代が16%減、レンタカー・カーシェアリング料金は23%減と落ち込む一方で、自動車等関連用品は12%増となり、自動車の衛生を保つためのシートカバーや洗車用具は好調となっています。

収束後もポストコロナの消費を見据えた対応が必要

新型コロナウイルスの影響により、生活様式が変わったことで消費行動にも変化が見られています。消費者のニーズも変わり、販売者側はニーズを上手く捉えて商品・サービスを提供しなければなりません。

新型コロナウイルスが収束することで、現在苦戦している分野の需要もある程度戻ると見られていますが、一度変わった消費行動が完全に戻るとは考えにくいでしょう。ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は「出店戦略や業態転換など『ポストコロナ』の消費を見据えた対応が必要だ」と指摘。

消費行動が戻ることを願うよりも、現在のニーズに合わせた対策を行なうことの重要性が見て取れます。

〈参照〉コロナ禍で「消費に変化」鮮明…バーガー20%増、飲酒は83%減/読売新聞オンライン

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