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デジタルトランスフォーメーション(DX)の影響と海外における成功事例

広報部

2020.08.03

デジタルトランスフォーメーション(DX)を簡単に要約すると、最新のデジタル技術を導入することにより、企業内のシステムや運営体制を抜本的に改革しようとする考え方です。

もともとは2004年にスウェーデンで生まれた考え方で、用語としては「新しい言葉」ではありません。しかし経済産業省は2018年に発表した「DXレポート」にて、AI(人工知能)技術やIoT機器などの先進技術の登場がイノベーションを巻き起こし、デジタルトランスフォーメーションの有無が企業の国際競争力すら決定づけるほどの、大きな影響を与えると警告しています。

では、どうすればよいのか?経済産業省はその答えが、今回ご紹介するデジタルトランスフォーメーションにあるとしています。

なぜ、DXが強大な影響力を持ってしまうのか?

次世代DXの中核となるAIとIoTが「頭脳と肉体」の関係にあり、両者を併用することで、人間の思考力やフットワークをはるかに凌駕する、超然としたマンパワー生み出してしまうからです。

ご存知の通り、AIは蓄積したビッグデータをアルゴリズムとして活用することで、言語の理解や統計の解析、画像認識などの知的領域において、人間をはるかに超えるパフォーマンスを発揮します。例えば、以前グーグルが実施したテストのなかに、医師とAIが時間内にレントゲン画像を診断士、発見した異変の数を比較する実験がありました。そして、スピードと正確性のいずれにおいても、AIが医師を上回る結果を出したという事例があります。

〈参照〉AIに取って代わられる?医師に不可欠な役割とは/時事メディカル

また、IoT機器も現在、次世代通信規格5Gの登場で、より大きな進展が見込まれています。5Gの登場により、私たちは以前より大きなデータを遅延なく扱うことができるようになるため、スマートフォンやウェアラブル端末だけでなく、緻密でミスの許されない作業をロボットやドローンが担う可能性が期待されています。

さらに、IoT機器の数も増加の一途を辿っており、企業内のIoT機器が相互に通信することにより、以前から言われていた「人の手がかかわらなければ不可とされていた領域を、機械が担う」ことも現実味を帯び始めました。

DXを活用する世界的な企業たちは現在、両者の活用に目を付けています。「DXをいち早く導入し効率化することで、マンパワーに頼った旧態依然とした企業の持つパイを、大幅に奪えるのではないか?」このように考え、国際的な視点を持ち、積極的な攻勢を仕掛けるようになっているのです。

実際に利益をあげた企業はあるのか?

企業がAIとIoTを駆使した事例としては、米国配車サービスの「ウーバー・テクノロジーズ」が有名です。同社は現在、米国を中心としたエリアで、同じ方向の目的地に向かう複数の人たちを相乗りすることで安価での交通を実現する「ウーバープール」と呼ばれるサービスを展開しています。

しかし、膨大な人物が思い思いの時間帯・目的地を目指すなか、シームレスに適切な組み合わせを算出するのは、どれほどのオペレーターを用意しても不可能です。そこでウーバー社は、自社開発した経路予測エンジン「Gurafu」の導入を決めました。

このシステムは人工知能によるデータ解析技術が採用しており、複数のユーザーが発する複雑な要望に対しても、人間ではとても不可能なスピードでライドシェア提案を提供します。また、AIは配車に必要な交通料金も可能な限り抑えるよう判断するため、ユーザーに既存のタクシー会社など比較にならない、非常に安価な料金でサービスを利用できます。

当然、タクシー会社などは大きな打撃を受けており、法規制などに頼って現状を凌ごうとしています。このように、デジタルトランスフォーメーションはいま、既存の社内システムや業界秩序に依存する企業をいともたやすく破壊する、強大な影響力を秘めています。

〈参照〉DXレポート/経済産業省
〈参照〉DXデジタルトランスフォーメーションへの誘い/itok

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