2019年10月に、凸版印刷とAWLがAIカメラを活用した自動販促プラットフォームを開発し、実証実験を開始したことを発表しました。来店者の行動に合わせて、最適な広告をリアルタイムに配信することができるプラットフォームですが、現在は凸版印刷内の売店で実証実験を行っています。
今回は、自動販促プラットフォームの概要や仕組みとあわせて、本プラットフォームの今後について述べます。
凸版印刷とAWLによる自動販促プラットフォームとは
凸版印刷は国内印刷業界2強の一角であり、さまざまな企業と提携してAI技術の活用に力を入れている企業です。AWLは凸版印刷と提携している企業の一つですが、リテール向けAIカメラソリューションを提供しています。
そんな2社が開発した自動販促プラットフォームは、凸版印刷のCRM技術やデジタルサイネージなどの店頭表現デバイスと、AWLのAIカメラ技術を活用したものです。AIカメラ技術を用いて、来店者の性別や年齢などでユーザー識別を行い、どの売場に立ち寄ったか、といった回遊情報から行動特性を掴むことができます。
それらの情報を組み合わせ、来店者に応じた商品広告をデジタルデバイスへリアルタイムに配信することで、来店者の購買意欲を促進する仕組みとなっています。今後は商品広告を見た来店者の行動変化を、自動的に検証する機能を実装する予定です。
自動販促プラットフォームは、来店者への販売促進だけでなく、店舗スタッフのオペレーション負荷を減らすことも目的としており、凸版印刷内の売店での実証実験結果をもとに、サービスとして提供することとしています。
自動販促プラットフォームの今後
自動販促プラットフォームの実証実験が始まった2019年10月時点では、2020年1月に本プラットフォームを活用した新規サービスの第一弾が提供予定とされていました。しかし、2020年4月時点では、まだその情報を見つけることができませんでした。
2020年4月時点では、世界中で新型コロナウイルスが猛威を奮っており、そのことが影響しているものと考えられます。ただし、AWLは2020年2月に総額8.1億円の資金調達を実施しており、自動販促プラットフォームのさらなる進化を後押しする形となっています。
自動販促プラットフォームは、十分に実証実験での成果を得られていると考えられ、リテール向けAIカメラソリューションを提供するAWLも、今後の成長が期待できるでしょう。私たちが凸版印刷の自動販促プラットフォームに触れる機会は、そう遠くない未来なのではないでしょうか。