2020年2月25日にトライアルカンパニーなど6社が、リテールAIプラットフォームプロジェクト「リアイル」戦略を発表しました。リアイル戦略は日本の小売・流通市場の縮小や社会課題などの問題に対応し、消費者の購買体験向上を図るものです。
今回は、リアイル戦略の概要や、関東初のスマートストア展開などについて紹介します。
6社が取り組む「リアイル」戦略とは
リアイル戦略は、小売・卸・流通・メーカー・冷蔵ショーケースメーカーの各プレイヤーが連携した戦略です。次の6社がAIを使ったデータ活用によって、社会課題の解決や消費者の購買体験向上を図るための戦略となっています。
- トライアルカンパニー
- サントリー酒類
- 日本アクセス
- 日本ハム
- フクシマガリレイ
- ムロオ
2020年2月25日に行われた戦略発表会のなかでは、欠品情報や店内の人の流れを検知して商品棚づくりに活かす「リテールAIカメラ」などのノウハウを集結した関東初のスマートストアを展開する、と発表されました。
千葉市の「トライアル長沼店」を4月24日にリニューアルオープンし、AIによる顧客行動分析や、在庫管理などに活用することとしています。
関東初のスマートストア「トライアル長沼店」で行われること
リニューアルオープンするトライアル長沼店では、今までにない新たな購買体験を消費者に提供します。セルフレジ機能付きの買い物カート「レジカート」の導入や、AIカメラによる顧客行動分析、棚の欠品管理、パーソナライズされたデジタルサイネージの導入などを計画。
AIカメラなどのリテールAIプラットフォームを提供するRetail AI社も同プロジェクトに参画し、トライアル長沼店のスマートストア化をサポートします。リテールAIによって、売り場での廃棄ロスや販売機会ロスを分析し、最適な棚作りができるようになります。
また、レジカートには「レコメンド機能」が搭載されており、たとえばサラダを購入した際におすすめ商品としてドレッシングを勧める、ということが可能に。ECショップのような利便性をリアル店舗でも実現することが可能なのです。
トライアルのレジカートは従来の決済方法ではなく、レジとカートが一体化したものであるため、決済時はレジ待ちの時間がありません。あわせてリテールAIプラットフォームを導入することで、新たな価値を作り上げています。
スマートストアはリアル店舗の強みを活かしながら、ECショップの強みも取り込むことができ、顧客に新たな購買体験を提供するものなのです。