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ポストコロナ対策でユニクロ、ジーユーが取り組む変革とは

広報部

2020.06.10

国内首位の衣料品ブランドであるユニクロは、新型コロナウイルスの影響を多大に受け、4月の直営既存店売上高(ネット通販含む)は、前年同月比の43.5%と激減しました。ユニクロ、ジーユーを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「ゼロベースから会社のすべてを作り変える覚悟をしている」と語っており、6月には店舗変革の鍵を握る原宿店をオープンする予定です。

今回は、ユニクロ・ジーユーが取り組むポストコロナ対策の店舗変革について紹介します。

実店舗の価値を見直す

ユニクロ、ジーユーを展開するファーストリテイリングは、2020年8月期の業績予想を売上高2兆900億円(前期比8.8%減)、営業利益1,450億円(前期比43.7%減)と、大幅な減収減益になる見通しとしています。減収は2003年8月期以来であり、実に17期ぶりの減収見通しとなりました。

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「店に来る価値があるかどうかが、今後は問われるようになる。ECだけで済むような服や業態だけでは、店は生き残れない」と語っており、今後の実店舗の存在価値について言及しています。

コロナの影響により、ECで衣料品を購入する消費者は増え、コロナ収束後もECの利便性に慣れた消費者は継続的にECを利用すると考えられます。そのため、より一層実店舗の価値の見直しが必要なのです。

「スタイルヒント」アプリによる新たな購買体験の提供

そんななか、コロナの影響を受ける前から準備を進めてきたユニクロの新店舗が、原宿で6月5日にオープンしました。新店舗ではユニクロとジーユーが2019年秋に共同開発した着こなし検索アプリ「スタイルヒント」を体験できる売り場を設置しています。

スタイルヒントは世界中のインフルエンサーやユーザーが投稿した写真から、さまざまな着こなしを閲覧できるアプリであり、写真に掲載された類似商品をユニクロとジーユーのECで購入可能です。新店舗ではスタイルヒントの専用コーナーを設け、壁一面に240台のディスプレイを並べています。消費者はスタイルヒントを店頭で閲覧しながら,購入したい商品を検索できます。

さらに、気になる商品が店内のどこで販売されているかを、ディスプレイ上で知らせる機能も搭載予定です。

実店舗の新たな価値として、新たな購入体験を提供するスタイルアプリは、まさにオンラインとオフラインを融合させたものといえるでしょう。今後ユニクロでは店舗ごとに独自性や体験価値を高め、集客力を向上させながら店舗の収益力の底上げを狙っています。

店舗の独自性や地域密着化の追求など、消費者にパーソナライズされた店舗構築は、他の小売業でも必要とされることになるでしょう。

〈参照〉ユニクロ、ジーユーがコロナ禍でも挑む変革/Yahoo!JAPANニュース

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