近年、デジタルマーケティングといえばDX(デジタルトランスフォーメーション)という潮流ですが、コロナ禍では人を介したマーケティングが成果を出しています。小売業が取り組むべきはデジタルマーケティングではなく「デジタル時代のマーケティング」と言えるでしょう。
今回は、小売業界のデジタルマーケティングに詳しいD2C dotプロデュース1部プランナー/プロデューサーの菅原太郎氏のインタビューをもとに、コロナ禍のデジタルマーケティングについて見ていきましょう。
コロナによって消費者の消費の仕方が大きく変わった
新型コロナウイルスの感染拡大によって、消費者の消費の仕方は大きく変わりました。今までは、街中をフラフラして美味しそうだからとお店に入ることもありましたが、そのようなことはほとんどなくなっています。
「その結果、消費者は本当に必要なものしか買わなくなり、選ばれるブランドと選ばれないブランドが明確なっていく」と菅原氏はコメントしました。このような状況では、いままでのデジタルマーケティングにおける成功事例も無力化しかねません。改めて消費者との向き合い方を考えなくてはならない状況にあるといえるでしょう。
SNS運用の見直しは有効策の一つ
そんな状況を打破する一つの作として、SNS運用の見直しが挙げられています。菅原氏は「出費に対してより慎重になる消費者が何をもとに選別するかといえば、それは売る側への親近感や思い入れ」とコメントしており、SNS運用の見直しにおけるキーワードとして「人格」が挙げられました。
消費者にとって身近で友人・知人のような関係性を築くために、日頃からSNSで人格がにじみ出るような発信をすることが重要です。具体例としてすみだ水族館のSNS運用が挙げられています。
その他にも、警視庁や弁護士のSNSにおける発信を例に取り、「GIVE」の徹底によるコミュニケーションの取り方も提案しています。
「デジタル時代のマーケティング」を考える
SNS運用においては、各SNSの特性を見極めて使い分けることも重要であり、例えばテキスト情報はツイッター、画像ならインスタグラムといった使い分けが例に挙げられました。各SNSを上手に使うことで、デジタル時代のマーケティングが実現するでしょう。
近年はデジタルマーケティング=DXという流暢ですが、人を介したマーケティングがコロナ禍で成果を出しています。菅原氏は「だからこそ、経営の原点に立ち戻り、企業として消費者とどのようなスタンスで接するのかを洗い直してみることが大切」とコメントしました。
〈参照〉小売業がデジタルマーケティングより先に始めたい!「デジタル時代のマーケティング」とは/Diamond Chain Store