ロッテの「雪見だいふく」は1981年に発売されて以降、従来のバニラ味以外にも「コクのショコラ」「とろける至福生チョコレート」など、50種類以上のバリエーションを販売してきました。新たなバリエーションを追加する販売戦略以外にも、SNSなどのインターネットサービスを活用した販売戦略も行っていることをご存知でしょうか。ロッテの「雪見だいふく」が実施したSNSを利用した話題作りとSNSマーケティングについて解説します。
SNSでのアレンジレシピ募集による話題作
2019年3月、ロッテの雪見だいふくは新たな特設サイトを開設しました。特設サイト「雪見だいくふう室」は、「雪見だいふくの新しい味の開発を助けてください!」というコンセプトのもとで、消費者からオリジナルのアレンジレシピを募集し、みんなで共有するというもの。TwitterやInstagramから投稿することができ、コンテスト形式で募集しました。
寄せられたアレンジレシピは2,000件以上となり、Twitterの公式ツイートは2,000件を超えるリツイートと、5,000件近い「いいね」を獲得しています。販売者側からの一方通行の販売戦略ではなく、消費者参加型の販売戦略により、話題作りに成功しました。
多くの消費者がロッテの雪見だいふくに注目することとなり、話題作りとあわせて購入率の伸長にも一役買ったことでしょう。2019年12月21日には、コンテストの優秀作品3作品を試食できるイベントを予定しています。
インターネットサービスとのコラボで購入率が105%伸長
ロッテの雪見だいふくは、以前にも別の形で話題作りを行っています。2018年には料理レシピ動画を公開するインターネットサービス「DELISH KITCHEN」とのコラボを実施しました。このコラボでは、雪見だいふくのアレンジレシピ動画9本を公開したところ、SNSなどで1つの動画が80万回以上の再生数となっています。
アレンジレシピは、日常生活において少し頑張った後に食べてもらうという「〆雪見」のコンセプトのもとで制作されました。簡単に美味しくできるレシピということもあり、雪見だいふくの購入率は前年比で105%の伸長を記録したと発表されています。
もともと20代~40代の女性をターゲットにした商品でしたが、男性の購入率も伸びており、静止画によるレシピよりも動画によるレシピのほうがわかりやすく、反応も良かったそうです。さらに、このコラボを期にさまざまな企業間コラボへと拡大しました。たとえば、三ツ矢サイダーの公式Facebookで投稿されるなど、さらにメディア露出が高まっています。
SNSなどのインターネットサービスを利用した販売戦略は今後欠かせない要素
ロッテの雪見だいふくは1981年以降、40年近く愛され続けている商品です。時代の流れに合わせて、SNSなどを上手に活用することで売上を伸ばすことに成功しています。SNSを使ったマーケティングは、現代では欠かせないものであることがわかる事例といえるでしょう。
SNSによる話題作りやマーケティングをはじめ、インターネットサービスを利用した販売戦略は、今や欠かせないものであると言えるのではないでしょうか。
〈参照〉ロッテ「雪見だいふく」の購入率が向上、レシピ動画の活用方法とは?/宣伝会議
〈参照〉ロッテ「雪見だいふく」キャンペーンに見る話題作りの用意周到/日経XTREND