新型コロナウイルスの影響を受けて、さまざまな業種の店舗の経営方針に変化が見られつつあります。そのなかの一つの例として、青山商事は同社の紳士服チェーン「洋服の青山」の店舗内にシェアオフィスを開設して新たな事業としています。
今回は、青山商事のシェアオフィス事業の紹介と併せて、今後の店舗の活用方法のヒントについて見ていきましょう。
青山商事のシェアオフィス事業BeSmart
青山商事はコロナ禍に新しくシェアオフィス事業の「BeSmart」を開始しました。BeSmartは洋服の青山水道橋店の店舗内で展開されています。
洋服の青山水道橋店は、DX推進の一環として2020年10月に大型サイネージやタブレット端末を複数台設置し、店舗スペースを5割縮小しました。オンラインストアとの連携により、従来よりも在庫を店舗で抱える必要がなくなったことで生まれた余剰分のスペースを使い、シェアオフィス事業を展開しているのです。
BeSmartは1時間550円(税別)でも一時利用が可能であり、次の4つのタイプのエリアが利用できます。
- 会話・短い電話OKのオープンエリア
- 会話・電話NGで静かに利用するQuietエリア
- リモート会議OKのパーソナル個室エリア
- 打ち合わせ・プレゼンができる会議室エリア
加えて、以下のような特徴があり、さまざまなビジネス場面で利用しやすいシェアオフィス環境となっています。
- 会員月額プランは契約することで利用し放題
- 高速Wi-Fi環境の提供
- 美味しいCoffeeやドリンクなどが無料で飲み放題
BeSmartと洋服の青山は隣接しているため、急遽シャツやネクタイなどが必要になった際もすぐに購入できるでしょう。スーツなどを販売する洋服の青山は、顧客としては頻繁に訪れる店舗ではないかもしれませんが、シェアオフィスが隣接することで来店客の増加も見込めそうです。
さまざまな業態に応用できるシェアオフィス
新型コロナウイルスの流行によって、シェアオフィスとして従来の店舗スペースを転用するケースが見られるようになってきました。例えば、JR東日本のSTATION WORKは駅構内に設置された個室型のシェアオフィスであり、待ち合わせや休憩でも利用可能です。
コロナ禍で店舗の客足は軒並み減っており、オンライン販売を中心とした対策が取られています。しかし、そうなると店舗の存在価値は在庫を持つ倉庫のような状態にならざるを得ません。今後は青山商事のBeSmartのように、店舗スペースを上手に活用することが求められることでしょう。