ホームセンター大手のカインズでは、2019年12月から商品の取り置きができるピックアップロッカーを導入していましたが、さらに使いやすく便利なサービスに生まれ変わりました。カインズのピックアップロッカーは欧米を中心に導入が進むBOPIS(Buy Online Pickup In Store)の一種であり、24時間365日いつでもオンラインで注文した商品を受け取れるサービスです。
今回は、カインズのピックアップロッカーの概要から、そのほかのデジタル施策などについて見ていきましょう。
カインズのBOPIS「CAINZ PickUp Locker」の概要
カインズのピックアップロッカー「CAINZ PickUp Locker」は、オンラインショップで注文した商品を店舗外のロッカーで24時間365日受け取れるサービスです。2019年12月から開始されていたサービスでは、ロッカーが店舗内に設置されており、決済も受け取り後に行う必要があったため受け取れる時間が限られていました。しかし、今回の新サービスではその制約もなくなり、より便利なサービスとなっています。
カインズのピックアップロッカーは、オンラインショップで注文したあとに送られてくるQRコードをピックアップロッカーにかざすことで商品が保管されている扉が開く仕組みです。15時までに注文するとその日のうちに受け取れるため、オンラインショッピングの「翌日配送」よりも早く商品を受け取れます。
さらに、オンライン上で決済まで完了するため、商品を受け取るまでに人と接触する必要がなく、新型コロナウイルスによる非接触ニーズの高まりにも対応できるサービスとなっています。カインズのピックアップロッカーは2021年度までに全国100店舗に導入する予定であり、店舗外ロッカーを設置するのは25店舗程度になる予定です。
そのほかにもデジタル施策を推し進めるカインズ
カインズのピックアップロッカーは、オンラインとオフラインの融合が実現できる手段であり、デジタル施策の一つと言えるでしょう。カインズではそのほかにもデジタル施策を推し進めており、アプリで欲しい商品の在庫数や売り場がどこにあるのかを調べられるサービスも提供しています。
2019年にはアメリカのシリコンバレーにあるスタートアップ投資会社のエボリューションベンチャーズと独占的戦略パートナー契約を締結するなど、ホームセンター業界の中でも特にデジタル施策を推し進めています。
BOPISはAmazonへの対抗手段となる
BOPISは欧米では一般的なサービスとして定着しつつありますが、BOPISが注目される理由の一つがAmazonへの対抗手段となり得ることでしょう。Amazonは世界規模のECサイトであり、小売業界全体の直接的なライバルとなる存在です。
Amazonでは翌日配送が最短の配送となりますが、オンラインで注文して今すぐに受け取りたい利用者は多く存在します。そんなときにBOPISであれば、近くの店舗で当日中に受け取ることが可能であり、Amazonへの対抗手段の一つとして利用されているのです。