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変わらぬポリシーで成長を続ける成城石井「12期連続増収増益」

広報部

2020.04.30

関東を中心に中部・近畿地方にも店舗を展開するスーパーマーケットチェーンの成城石井。苦しいスーパー業界のなかで、成城石井は「12期連続増収増益」を続けています。

今回は、成城石井が好調である理由について見ていきましょう。

創業以来変わらないポリシー

成城石井は「高級スーパー」と思われがちですが、「高品質スーパー」であると、同社の原代表取締役は語っています。たとえば、同社が販売する「成城石井自家製プレミアムチーズケーキ」は、税抜で1本790円ですが、一般的なスーパーであれば500円前後で販売されているでしょう。

一般的なスーパーに比べると価格は高くなりますが、原料はパティスリーやホテルなどで1,000~1,500円前後で販売されているものと遜色ないものを使っており、「高品質で値段は中ぐらい」を実現しているといいます。

成城石井は「良いものをお求めになりやすく」を創業以来のポリシーとし、業績不振に陥った際もポリシーを曲げることなく、高品質な商品を提供し続けてきました。高品質のものを低価格で提供することで、利益が圧迫されることを心配する方もいるのではないでしょうか。

しかし、成城石井の営業利益率は9%台と高く、それを支える理由がサプライチェーンの諸機能を自社で構築していることなのです。

輸入・物流すべてを自社で行う

成城石井では、輸入から物流・卸・セントラルキッチン・ネット販売など、サプライチェーンの諸機能を自社で構築しています。商社や物流会社などに中間マージンを支払う必要がないため、高品質のものを低価格で提供することが可能なのです。

成城石井は、はじめからこのような機能を備えていたわけではありません。創業当時はたった2店の小さなスーパーであり、同社が掲げるポリシーを守り続けるために、少しずつ新たな業種に挑戦し、成功を収めてきました。

近年では、仙台や明石、岡山などの遠方への出店にもチャレンジしており、横浜の三井アウトレットパークベイサイドに出店することでアウトレットにも挑戦することとしています。自社で掲げるポリシーを守るために、常に新たなことに挑戦し続けることが、成城石井が好調である理由だといえるでしょう。

「小売業は本来、圧倒的に強い業種」

成城石井の原代表取締役は「『何が足りないのか』を常に考え、ブラッシュアップする機能さえ自社で持てるなら、売り場を持っている小売業は本来、圧倒的に強い業種であるはず」と発言しています。さらに「適正な価格とクオリティーで販売し、何がすごいのかという『ストーリー』をうまくお伝えできれば、商品は必ず売れる。売れないのはこれらのうちのなにかが足りないんです」とも発言しています。

小売業は「何が足りないのか」が直接顧客から読み取ることができるために、「圧倒的に強い業種」といえるのです。自社でできることを磨き続け、世の中(顧客)が求めていることに柔軟に対応していくことこそ、販売の世界で生き残り続けるための秘訣といえるのではないでしょうか。

〈参照〉成城石井がスーパー不振の中で「12年連続増収増益」を実現できる理由/DIAMOND ONLINE

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