2020年3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅は、日本の最先端技術が集まる駅です。最先端のAI技術を活用したさまざまなサービスが提供されていますが、そのなかでも、ひときわ目立つ存在として女性AI駅員の「AIさくらさん」があります。
今回は、AIさくらさんの概要から、男女AI駅員によるジェンダーギャップの批判についても軽く触れます。
AI接客システム「AIさくらさん」とは
AIさくらさんは、AI・Web制作会社の株式会社ティファナ・ドットコムが開発した業務サポートAIです。AIによる自己学習機能によって、次に挙げるような活用例があります。
- インバウンド接客
- 社内ヘルプデスク対応
- 受付対応(コンシェルジュ)
- 会社の生き字引
- 社外からの問い合わせ
- Web接客/Web集客
AIさくらさんは、日本語だけでなく英語・中国語・韓国語に対応しており、日本に訪れる観光客向けの接客が可能です。ほかにも、社内資料の作り方や社員のノウハウを学習することで、社内のヘルプデスク対応や生き字引として活用することができます。
また、ほかのAIシステムとは異なり、見た目はアニメキャラのように作られているところが特徴です。日本のサブカルチャー文化を代表するような見た目であり、特に接客や受付対応などにおいては、実用性だけでなくエンターテインメント性を提供することも可能となっています。
AIさくらさんの導入事例は約300社あり、導入企業ごとにキャラクターや応答の細かいカスタマイズが可能です。
〈参照〉AIさくらさん
高輪ゲートウェイ駅の女性AI駅員と男性AI駅員の問題とその後
高輪ゲートウェイ駅では、女性AI駅員としてAIさくらさんをAIサイネージに表示して、接客を行っています。AIさくらさんとは別に男性タイプのAI駅員も配置されており、こちらはJR東日本情報システムが開発したシステムです。
男性AI駅員は、AIさくらさんとは大きく異なり、真面目な印象を受けるタイプの見た目ですが、機能としては日・英・中・韓の4ヶ国語対応ができるなど、遜色ありません。
しかし、この2つのAI駅員に対しては、ネット上で一部のユーザーから「ジェンダーギャップ」の批判を集めることになりました。JR東日本としては「開発元が異なる2つのAIを配置し、利便性を確認するために設置したものであり、そのような意図はない」と回答しています。現在はどちらも試験導入されている段階であり、本導入の際にどうなるかは未定とのこと。
高輪ゲートウェイ駅ではAI駅員だけでなく、AI決済店舗の「TOUCH TO GO」やAI警備ロボットなど、多くのAIが活用されています。駅周辺の再開発が終わり、本格的な街開きとなる2024年度には、より洗練されたAI活用が期待されます。