2020年3月14日に開業したJR東日本の高輪ゲートウェイ駅。その改札ペースに3月23日にAI決済店舗の「TOUCH TO GO」が開業しました。同店では、商品スキャン不要で買い物でき、顧客利便性の向上・店舗スタッフの負荷低減が期待されます。
今回は、TOUCH TO GOの概要から、今後の展望について紹介します。
TOUCH TO GOの概要・仕組み
TOUCH TO GOの来店客は来店後に商品を選択し、決済エリアで決済するという従来の方式と同様の流れで買い物を行えます。しかし、商品スキャンが不要であるため、レジ待ちなどの時間が発生しないのです。
Amazon Goでは、入店時に顧客識別を行いますが、TOUCH TO GOでは入店時に顧客識別を行いません。Amazon Goでは、商品を手にとってそのまま退店する「Just Walk Out」を採用していますが、日本において普及するかは判断できませんでした。そのため、TOUCH TO GOでは入店しやすさの点を重視したため、退店時に決済する仕組みを採用したとのことです。
決済では現金は使用できず、現在では交通系ICカードを利用します。今後2020年6月以降にクレジットカードや電子マネーにも対応する予定であり、完全キャッシュレス化の方針で進められる予定です。
TOUCH TO GOの店内には、約50台のセンサーカメラや重量センサーなどが設置されており、来店客の情報と商品棚の商品情報をリアルタイムに認識しています。そのため、誰がどの商品を手にとったかが分かるようになっており、決済時には来店客ごとに商品スキャンをせずとも決済することが可能となっているのです。
TOUCH TO GOの店舗内は完全な無人というわけではなく、最低1人はバックヤードなどに配置。また、一括で来店客への対応を行う遠隔コールセンターも設置されています。同店では酒類の販売も行うため、年齢確認が必要となりますが、店舗スタッフによって確認ができなければ決済できない仕組みとなっています。
システムをサブスクリプションとして提供予定
TOUCH TO GOのAI決済店舗システムは、株式会社TOUCH TO GOが独自に作り上げたものです。そのため、今後は小売業や飲食業などをターゲットに、省人化ソリューションとして提供することが考えられています。
TOUCH TO GOで用いられる一連の技術を、初期費用無しでサブスクリプションサービスとして提供する予定です。ただし、現在はカメラやゲートなどのハード面のコストが大きいため、カメラの台数を減らすなどのコスト削減をしていきたい考えとしています。
また、現状では同時来店者数の限度を7人~10人程度としていますが、将来的には技術的な改善を重ねながら、人数制限をなくしていきたいと語られています。
現状では、まだサブスクリプションサービスとしての提供時期は未定ですが、月額80万円程度を想定しているとのこと。TOUCH TO GOでは省人化による人的コスト削減が可能であり、商品棚に設置する各種センサーも後付で対応できるため、今後の普及が期待されます。