株式会社猿人は、主催するコミュニティである「自治体DX友達の輪」会員を含めた全国の自治体によるDXの着手状況についてのアンケート結果を公表しました。調査の結果から全国の自治体によるDX推進の状況が明らかになり、課題も見えてきています。
自治体におけるDX推進状況は、一般企業にとっても参考になる部分が大いにあるため、今回は株式会社猿人が公表したアンケート調査について見ていきましょう。
中規模自治体のDX着手が最も進んでいる
株式会社猿人が実施したアンケートは、全国の自治体職員1938名を対象に、電話やインターネット調査を用いて2021年7月2日~11月30日の間で実施されました。
各自治体のDX取組状況については、全体で26.3%の自治体が何かしらの取り組みを実施しています。人口10万人以上の自治体では20.7%、人口10万人未満の自治体では32.8%、人口1万人以上で30.0%、人口1万人未満で21.3%という結果になっています。
このことから、中規模自治体のDX着手が最も進んでおり、大規模自治体と小規模自治体のDX着手が遅れていることがわかるでしょう。
その理由としては、大規模自治体の場合は予算や規模の大きさのため容易に進められないことが要因として考えられます。また、小規模自治体の場合は人員不足が主な要因と考えられるでしょう。
DXの導入領域と推進体制
各自治体で導入が進んでいるDX領域としては、電子申請システム・RPA・AI-OCRなどが上位を占めています。2020年12月25日に閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」で自治体のAI・RPAの利用推進が謳われていることもあり、都道府県庁や市役所を中心に導入が進んでいると見られます。
特に、市役所はRPAの導入が16.8%と比較的高い割合となっている点に注目です。一般企業においてもRPAを活用できる業務は多く存在するため参考にするとよいでしょう。
DXの実施体制は外部委託が圧倒的に多く、外部委託/内部化併用の5倍、内製化の7倍超という結果になりました。
DX推進における課題とは
自治体におけるDX推進の課題としては、「士気が低い」「知識不足」「人員不足」が多く挙げられています。また、「DX実現のためのデータ不足」を課題とする自治体の割合がほぼゼロパーセントであることにも注目です。
一般企業のDX推進においても、知識・人員不足は課題として多く挙げられますが、データ不足について課題としてあげている企業はどのくらいいるのでしょうか。DX推進におけるデータの重要性を認識することも重要な課題として認識する必要があるでしょう。
〈参照〉『自治体DX 調査レポート2021』全国約2000名の自治体職員アンケートからみえた地域の現状、自治体DX着手全体26. 3%も小規模自治体に遅れ【株式会社猿人調べ】|株式会社猿人のプレスリリース