メルカリグループのソウゾウは、ECプラットフォーム「メルカリShops」でクール便をサイズ別全国一律価格で配送する「クールメルカリ便」を開始することを3月7日に発表しました。国内の主要ECでは初の取り組みとなるクールメルカリ便は、水産業界の新たな販路としても注目されています。
今回は、クールメルカリ便について見ていきましょう。
「クールメルカリ便」とは
クールメルカリ便は、ヤマト運輸が提供する「クール宅急便」を使い、要冷凍・要冷蔵商品をサイズ別で全国一律の送料で配送できるサービスです。60~120サイズまで対応しており、水産業者の販路拡大支援を目的にメルカリShops限定で提供されます。
輸送時の保冷設定温度は冷蔵タイプで0~10度、冷凍タイプはマイナス15度です。それぞれ予冷時間の目安は10度以下で6時間以上、マイナス15度以下で12時間以上となっています。
利用料は60サイズで920円、120サイズで1760円となっており、最大で59%の割引になります。利用方法は販売時に「クールメルカリ便(冷蔵)」か「クールメルカリ便(冷凍)」を選択し、予冷済みの商品を梱包してヤマト運輸の営業所に持ち込むことで発送可能です。また、30円を追加で支払うことで集荷依頼することもできます。
クールメルカリ便の特徴
クールメルカリ便の特徴は次の5点です。
・サイズ別全国一律料金(最大59%割引)
・集荷可能
・宛名書き不要
・配送状況が見られる
・安心安全の実名配送
一律料金、集荷可能な点は先ほど説明したとおりですが、その他にも配送ごとにバーコードやQRコードが生成されるため宛名書きが不要であり、オペレーションの簡略化が実現できます。また、発送通知後はメルカリのアプリ取引画面で配送状況を確認できます。
食品が発送されることを前提としているため、出店者の情報を記載して配送することで購入者が安心して商品を買えるようになっている点も特徴です。
水産業界の新たな販路として注目
水産業界では新型コロナウイルスの影響によって卸先が減少していることが課題となっていました。行き場がなくなった水産物に対して、新たな販路を開拓する必要があり、メルカリShopsをはじめた業者も少なくありません。
ソウゾウは販路拡大の手法でECサイトの利用に注目しました。出店者が抱える課題として最も挙げられたものが「配送料(クール便)の価格の高さ(約74%)」であり、新サービスの提供を決定したとのこと。
また、全国の20代~60代の男女1000人を対象としたインターネット調査では、ECで水産物の購入経験がある人は全体で22.2%とECでの水産物購入は定着していない事もわかっています。
今回のサービスを通じて、水産業者の支援と水産物のEC購入の認知向上を図り、水産業界でのEC販売促進と活性化を図ることを目的としています。