W.A.T株式会社が運営するcassiwa(カッシーワ)は、大阪に6店舗を展開する串焼きを中心とした居酒屋です。2013年にオープンして以来、店舗ごとにコンセプトを変えながら展開してきましたが、コロナを機に回転率ではなく「滞在時間」を延ばせる店へと戦略を変更しています。
今回は、カッシーワが実践するさまざまな戦略とその理由について見ていきましょう。
カッシーワのリピーター獲得戦略
カッシーワの運営会社であるW.A.Tはもともとデザインや飲食店のコンサルティングを手掛けてきた会社です。商品撮影からメニューブックのデザイン、SNS運用といった広報業務を行ない、見せ方のうまさが集客につながってきました。
そして、獲得した顧客をリピーターとすることにも注力しており、主に2つの施策を実施しています。1つ目は、接客時のパフォーマンスであり、例えばトリュフを削った卵かけご飯では提供時に顧客の目の前でふんだんにトリュフを削ることで驚きの体験を提供。このような取り組みがリピーター獲得につながっています。
2つ目は、年に1度は串焼き以外のメニューの見直しを行ない、顧客を飽きさせないようにする施策です。トレンドを捉えながらメニューを入れ替えることで、新しいメニューが再来店の目的となりリピーターを増やすことにつながっています。
回転率ではなく滞在時間を延ばす戦略への変更
来店客を大切にして次へとつなげる、という基本姿勢は変わらないもののアプローチの仕方は変化しています。
コロナ前のディナーは平日でも必ず2回転、土日は3回転することが通常でしたが、コロナを機に滞在時間を延ばすことを目指すようにしたとのこと。その理由として、コロナ禍で多くのアルバイトスタッフが辞め、人材教育が十分にできなかったことが挙げられています。
顧客にゆっくりと過ごしてもらうことを中心とし、スタッフにゆとりが生まれることでスタッフの育成にもつながると考えられています。
滞在時間が長くなった分、単価アップも期待できる
顧客の滞在時間が長くなったことで、今までよりも注文数が増えて単価アップにつながっているとのこと。滞在時間が延びることで、これまでは「2軒目に行こう」と考える顧客をつなぎとめることができ、ゆっくりしたい客層の獲得も期待されています。
次のメニュー入れ替えでは、滞在時間の延長に合わせてシメやデザートのメニューを充実させることを視野に入れており、さらなる単価アップを目指しています。