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「リベンジ消費」は望み薄?数字で見るアフターコロナの消費者行動

広報部

2021.12.08

新型コロナウイルスの影響により、消費者は多くの消費行動が抑制されている状況です。そんななか、アフターコロナでは抑制されていた消費行動が爆発する「リベンジ消費」への期待が高まっています。しかし、野村総合研究所が行った調査により、その効果はあまり期待できないことが判明しました。

今回は、野村総合研究所の調査結果をもとに、アフターコロナにおける消費者行動について数字を用いて見ていきましょう。

抑制されていた消費行動の爆発「リベンジ消費」の効果は限定的

野村総合研究所はコロナ禍が収束した場合の消費価値観や生活行動を把握するためにインターネット調査を実施しました。

調査期間:7月22日~8月4日

調査対象:全国の満15~69歳の男女

有効回答数:18,800人

調査の結果、国内旅行については「コロナ禍以前の水準よりもさらに多くする」「コロナ禍以前の水準に戻す」の合計は51%となり、消費活動の再開に積極的な人が多く見られる結果となりました。

対して、外食については「コロナ禍以前の水準よりもさらに多くする」「コロナ禍以前の水準に戻す」の合計は43%となり、「今と変わらないままにする」という回答も同程度となっています。また、コンサートや映画鑑賞などの活動も支出意向は外食と同程度に留まる結果となりました。

さらに、どの活動においても「コロナ禍以前の水準よりもさらに多くする」と回答したのは1割未満となり、リベンジ消費はあまり期待できないことがわかります。

飲食店は中食需要の開拓が求められる

生活全体の状況に関する調査からは、「コロナ禍前の生活に戻る」と回答した人は25%であったのに対して、「ある程度はコロナ禍以前に戻るが、完全には戻らない」と回答した人は59%という結果に。

コロナ禍以前の生活に戻らないと回答した人の理由としては、「コロナが完全に収束するとは思えない」と回答した人が41.1%、「コロナ禍がきっかけでデジタル化が進み、新しい生活様式に慣れてしまったため」と回答した人が18.4%でした。

現在中食需要が高まっていますが、この結果からテイクアウトやデリバリーを利用する人は、アフターコロナにおいても同様に利用し続ける傾向にあることがわかるでしょう。コロナによって消費価値観が変化し、いまやテイクアウトやデリバリーは当たり前のサービスとして受け入れられています。

飲食店においては、中食需要の高まりに対応できるように業態を変化させて対応する重要性が高まっています。

〈参照〉アフターコロナの「リベンジ消費」は限定的か。飲食店は新たな需要の開拓を

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