2021年11月時点の日本における新型コロナウイルスのワクチン接種率は約76% となっており、過半数が必要回数のワクチン接種を完了しています。新型コロナウイルスの騒動は徐々に収束に向かいつつあると見られますが、飲食店においてはどうでしょうか。
今回は、飲食店を対象に実施されたワクチン接種の進捗に伴う行動規制緩和に関するアンケートの回答結果について見ていきましょう。
アンケート調査の概要と飲食店の現状
はじめに今回実施されたアンケートの概要について紹介します。
・対象者:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
・回答者:486名
・調査期間:2021年9月27日~9月28日
・調査方法:インターネット調査
回答者の69.5%は1店舗のみを運営しており、東京にある飲食店の割合は53.1%となっています。
次に、飲食店の現状については、2021年8月とコロナ前の2019年8月の売上比較から見ていきましょう。「70%以上減った(38.7%)」「60%以上減った(7.8%)」「50%減った(10.3%)」という回答になっており、売上が半減している飲食店は56.8%にまで及んでいます。
未だ飲食店の状況は改善していないことがわかるでしょう。
ワクチン接種証明書などの活用には約4割が概ね賛成
政府は行動制限の緩和に伴ってワクチン接種歴やPCRなどの検査結果を確認する「ワクチン・検査パッケージ」の導入を検討しています。それに対して、飲食店の反応は約4割が概ね賛成、約3割が反対という結果になりました。
概ね賛成とする理由としては「経済回復の施策」や「感染対策」としての効果を期待するものです。対して、概ね反対とする理由には「店側の負担が増えること」や「差別につながること」を懸念する意見が挙げられています。
その他にも、ワクチン接種は強制でないことや導入の効果を疑問視する意見もあるなど、ワクチン接種証明書などの活用に関しては意見が分かれています。
不透明な今後、飲食店の多くはどのように考えているのか
今後飲食店の制限が緩和された場合、「規制緩和の方針に従い営業を行う」との回答は86%でしたが、「緩和に関係なく自粛に努める」と回答する飲食店も存在します。
その理由には先行きが不透明なことや客足の回復に対する不安、店内クラスターを心配する意見など、まだまだ多くの不安が残されていることがアンケート結果から見て取れました。