関東を中心にホームセンターカインズを展開する株式会社カインズは、2021年9月16日に本社敷地内に自社ハウススタジオ3棟を建設しました。その目的として、商品の開発から販売に至るまでにかかる期間を短縮し、よりスピーディーなSPA(製造小売)体制を構築することとしています。
今回は、カインズが新たに建設した自社ハウススタジオを中心に、カインズのSPA体制強化について見ていきましょう。
自社ハウススタジオを3棟建設
カインズは埼玉県本庄市の本社敷地内に、A/B/C棟の自社ハウススタジオを建設しました。商品パッケージやECサイトに掲載する写真、店頭販促物に使用する写真の撮影に利用されます。
- A棟:唯一の2階建て。水道・ガスを完備し「生活シーン全般」の撮影が可能
- B棟:壁の組み換えが可能で、移動式システムキッチンを用いてさまざまな間取り・雰囲気を再現
- C棟:ガレージ風スタジオ。動画の撮影・DIYアイテム・プロツールなどの撮影に活用
新たに建設した自社ハウススタジオについて、商品本部の高田英尚デザイン企画部部長は次のようにコメントしています。
「当社で開発したオリジナル商品が、実際の生活の中でどう利用されるのか具体的にイメージがわく写真を撮影するために、生活のさまざまなシーンが再現できるスタジオを作成した。各単品ごとに商品が一番映えるシーンが作れるスタジオとなった」
外部ハウススタジオを利用していた際の課題
これまでカインズでは外部ハウススタジを利用して撮影などを行っていましたが、キッチンを入れ替えたり、壁面を変えたりできず、外部のスタジオ探しから開始する必要があり、商品搬入にも多くの手間がかかっていました。
また、備品忘れなどがあっても対応できないなどの課題もあったとのこと。自社ハウススタジを建設したことで、よりスピーディーなSPA体制の構築が可能になり、商品撮影も1日で完結することも可能となりました。
SPA企業として成長を続けるカインズ
カインズは日常生活に寄り添うライフスタイルの提案と、住空間のトータルコーディネートを意識した商品づくり、店舗づくりに努めています。そのため、カインズにとって自社ハウススタジオの存在はなくてはならない存在といえるでしょう。
カインズはSPA企業として成長を続けるとともに、小売業の枠を超えてさまざまな商品やサービスを提供することとしており、ITも積極的に活用しています。IT小売業を目指す一面もあり、小売業の新たな姿として、今後のカインズの動向に注目です。