スープ專門チェーンを展開するスープストックトーキョーは、2021年9月20日から賞味期限が近づいてきた冷凍スープをアウトレットセットとして販売しています。スープストックトーキョーのフードロス対策と併せて、日本・世界におけるフードロスの現状と対策状況を見ていきましょう。
公式オンラインショップでアウトレットセットとして販売開始
スープストックトーキョーでは、賞味期限が近づいてきた冷凍スープ15セットを6,750円(税込み・送料込み)で販売開始しました。
6種類の共通で入っているスープに加え、セットA/Bから4種類ずつを選べるようになっており、同一商品は最大で3個まで選択できます。賞味期限が近づいているといっても、最も残り日数が短いものでは30日以上の期間があるため、安心して利用可能です。
「あまらせるのをやめました。」のフレーズのもと、フードロス削減の対策として実施しています。ただし、原則として余らないように製造販売することに努めているため、アウトレットセットの販売は不定期に行われます。
日本におけるフードロスは600万トン、世界的に実施されるフードロス対策
フードロス(食品ロス)は食べられるにもかかわらず廃棄される食品を指し、日本では年間600万トンも発生しています。
世界的に見てもフードロスは問題視されており、ヨーロッパでは対策が進んでいます。例えば、フランスではスーパーでの食料廃棄を禁止する法律ができ、デンマークでは賞味期限切れ食品專門スーパーがオープンしました。また、ドイツでは食べきれない料理を他の人とシェアするフードシェアリングも行われています。
フードロスによる問題は環境悪化や、将来的な人口増加による食糧危機に対応できないなどの問題が挙げられ、SDGs(Sustainable Development Goals)のターゲットとしても盛り込まれています。
フードロスをめぐる今後
日本では事業系食品ロスを2030年度までに2020年度比で半減する目標を立てており、年間273万トン以下にする目標を設定しています。フードロスの問題は一企業によるものだけでなく、社会全体として取り組むべきものであり、企業側だけでなく消費者側の意識の改革も必要です。
スープストックトーキョーのアウトレットセットは、10月時点では完売となっており、フードロスが発生する消費者側の要因である「過度な鮮度志向」が薄れていることの表れのように見えます。今後も同様のサービスが登場することが予想されますが、消費者に受け入れられていくと考えられるでしょう。