そごう・西武は、9月2日に服や雑貨など実物を見ながら、スマートフォンで商品を購入できる初のメディア型OMO店舗「CHOOSEBASE SHIBUYA」を西武渋谷店にオープンしました。ネットと店舗のメリットを融合した「未来の小売空間」として、百貨店のネット通販事業の強化につなげたい考えです。
今回は、メディア型OMO店舗のCHOOSEBASE SHIBUYAについて見ていきましょう。
ネットと店舗を融合し双方のメリットを最大限に活用
CHOOSEBASE SHIBUYAでは、触り心地などが分かるリアル店舗の良さと、多くの情報を得たり購入手続きを簡略化できたりするネットの便利さを融合したOMO店舗です。
百貨店業界初の取り組みとして、購入したい展示品のQRコードを読み込み専用サイトのショッピングカートに登録することで、買い物かごを持ち運ぶことなく店内を回遊できるシステムを開発しました。展示品横のQRコードをスマートフォンで読み込むと価格や商品情報が表示され、購入手続きをした商品はその場で受け取ることも、自宅へ配送してもらうことも可能です。
20代~30台の若者をメインターゲットとし、新たな買い物体験を提供することとしています。
未来の小売空間を体現するCHOOSEBASE SHIBUYA
CHOOSEBASE SHIBUYAの店内は2つの展示エリアと、D2Cブランドを展開するFABRIC TOKYO初となるウィメンズ向けブランド「インセイン(INCEIN)」の1号店、ラウンジエリアの計4つの売り場で構成されています。
出店ブランドはほとんどが百貨店初登場となるブランドで、他のブランドと切り離した展示スペースを確保することでこれまで百貨店への出店に消極的だったブランドを揃え、差別化した提案が可能となっています。
売り場のテーマは半年ごとに変更され、初回テーマは「サステナビリティー(持続可能性)」として、産業廃棄物であるホタテの貝殻を使った洗浄パウダーや無添加のはちみつなど、計54ブランドの約400品が揃えられました。
CHOOSEBASE SHIBUYAは、これまで百貨店が取り扱ってきた大手ブランド以外に、消費者ニーズに沿ったさまざまなブランドを発信できる場として、デジタルとリアルを融合した「未来の小売空間」を体現するために準備が進められてきました。
リアル店舗とECを融合させることで、トラフィックや購買データの収集を進めて各ブランドへのフィードバックやそごう・西武の百貨店事業にも活用できます。買い物かご不要の新たな購買体験を消費者に提供するだけでなく、データ活用による店舗運営もできるフォーマットとして注目されています。