公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は、2020年度の売上高調査結果を8月23日に公表しました。調査の結果から前年比20%増で市場規模は10兆円を超える規模になったことが判明しています。
今回は、JADMAが公表した調査結果や経済産業省が発表した市場調査結果をもとに、コロナ禍における市場の変化について見ていきましょう。
2020年度の通販・EC市場は20%増、10.6兆円規模に拡大
JADMAは協会会員434社を対象に調査を実施し、各種調査から推計できる有力非会員386社の売上を加えて算出した結果を速報値として公表しました。2021年6月24日~8月13日の間に調査が行われ、衣料品や雑貨・化粧品・健康食品などの物販を中心として推計値が出されています。その結果、2020年度の通販売上高は前年比20.1%増の10兆6,300億円となりました。
金額ベースでは前年比で1兆7,800億円の増加となり、1982年度の調査開始以来初の20%以上の伸び率を記録しています。直近10年の平均成長率は8.7%でしたが、2020年度は大きく成長したことがわかります。
新型コロナウイルスの影響による購入手段として拡大した市場規模は、直近10年間は成長を続けており、今後も成長を続けると見られるでしょう。加えて、市場の傾向としてはモール系が堅調であり、商材では家電系や家具、食品系などの宅時間を充実させる目的の商品が好調であることが挙げられます。
物販系分野BtoC-EC市場のEC化率も8%を突破
同様に経済産業省が7月30日に公表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」では、2020年のBtoC-EC市場のうち物販系分野は、前年比21.71%増の12兆2,333億円だったことがわかっています。
分類としては次の4カテゴリーが物販系分野の73%を占め、上位カテゴリーとなりました。
- 生活家電、AV機器、PC、周辺機器など(2兆3,489億円)
- 衣類、服飾雑貨など(2兆2,203億円)
- 食品、飲料、酒類(2兆2,086億円)
- 生活雑貨、家具、インテリア(2兆1,322億円)
また、EC化率も2019年が6.76%だったことに対して、2020年は8.08%と大きく成長。EC化率が高いジャンルとしては次のものが挙げられています。
- 書類、映像、音楽ソフト(42.97%)
- 生活家電、AV機器、PC、周辺機器など(37.45%)
- 生活雑貨、家具、インテリア(26.03%)
〈参照〉コロナ禍の通販・EC市場は20%増の10.6兆円に拡大【JADMAの2020年度売上高調査】/ネットショップ担当者フォーラム