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ビッグデータとIoTを活用した設備管理で工場業務の効率化-キリンビール・前川製作所

広報部

2021.08.25

2021年7月にキリンビールは冷凍機などを手掛ける前川製作所と連携し、ビッグデータ・IoTを活用した設備管理・遠隔監視システムの運用を開始すると発表しました。これらのシステムを導入することで、業務の効率化や設備不調の早期解消・故障発生の防止などの効果が得られます。

今回は、キリンビールと前川製作所が実施するビッグデータ・IoTの活用事例を見ていきましょう。

ビッグデータとIoTを活用した設備管理・遠隔監視

この取り組みでは、ビッグデータを設備管理に利用して設備不調の早期解消や故障発生の防止が期待できます。また、IoTは冷凍機の遠隔監視に利用し、点検の遠隔監視と記帳の業務負荷軽減につなげることとしています。

ビッグデータ活用による設備管理では、冷凍機に振動計などのセンサーを取り付けることで、設備の運転状況のデータを蓄積し、解析によって設備トラブルの抑制と生産ラインの効率化、消耗品の劣化予兆を受けた設備部品の適正化、設備での省エネルギー診断の実施などが可能です。

IoTを活用した冷凍機の遠隔監視は冷凍機の周囲にネットワークカメラを配置し、前川製作所と迅速にデータ共有ができるネットワークシステムを構築します。設備の状態変化を事前に検知することで早期での確実な点検実施が可能となり、工場の点検時間は年間で約120時間の削減が可能となります。

キリンでは2020年1月から福岡工場でテスト運用を実施

キリンビールでは2020年1月から約1年間のテスト運用を実施しました。その結果、冷凍機の稼働の効率化と設備点検不可の軽減が可能になることを確認しています。

このテスト結果を受け、福岡工場では5月から本格運用を開始しており、現在では工場にある全ての冷凍機が対象となっています。

「スマートチラー」として全工場でのシステム導入を予定

前川製作所はこのシステムを「スマートチラー」という名称で7月に商品化しました。9月にはキリンビールの仙台工場への展開が予定されており、今後は全国の工場で導入が進むことでしょう。

キリンビールはこのシステムを導入することで、工場設備の突発的な事故防止と稼働の効率化、省エネルギー化を期待しています。加えて、定期点検や現場でのトラブルシューティングなどの作業時間の削減を進め、キリンビール・前川製作所双方の業務負荷を軽減することとしています。

〈参照〉キリン/ビッグデータ活用の設備管理、IoT冷凍機遠隔監視システム導入/流通ニュース

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