株式会社ヤザワミートは飲食店に厳選した黒毛和牛を卸す一方で、「ミート矢澤」や「焼肉ジャンボ白金」など、国内外で19店舗の飲食店を展開している企業です。そんなヤザワミートでは昨年4月から消費者に直接肉を販売する小売りをはじめました。
今回は、ヤザワミートが小売りを始めた理由やその他の対応について、同社の副社長である東海林一紀氏のインタビューをもとに見ていきましょう。
肉の小売りを初めて実施-「地域に貢献したい」
ヤザワミートでは昨年4月2日から6月4日までの間でほぼ毎日店頭販売を行いました。現在は不定期で実施していますが、小売りを実施した理由として「消費者と畜産農家をつなぎたい」という思いがあったといいます。
昨年3月には東京都で不要不急の外出自粛の会見が行われ、市民が買いだめに走りスーパーからほぼすべての食材が消失する事がありました。そのときにヤザワミートでは地域になにか貢献できないかと考え、小売りをはじめることにしたそうです。
この頃から営業時間を短縮したり休業したりする飲食店が増え、精肉の出荷量も減少したため、今までに一度もやったことがない小売りを実施しました。同社は同時期にSNSの発信も始め、精肉の販売に関する告知などもSNSを通じて行っています。
東海林氏は「大変でしたが楽しかったし勉強になりました。」とコメントしており、消費者と直接会話したり、SNSのコメントを見たりすることで直接消費者の要望を受け取り、フィードバックするように心がけたと話しています。
テイクアウトとデリバリーもいち早く始めた
ヤザワミートはテイクアウトとデリバリーもいち早くはじめました。2020年3月には焼肉ジャンボ白金の肉を自宅で楽しめる「おうちで焼肉ジャンボ白金」をスタートし、東京23区内限定でのデリバリーもはじめました。
現在3度目の緊急事態宣言が発令されており、飲食店の営業時間は短縮され、肉の需要や消費量も減少しています。しかし、このような状況下でもヤザワミートはフル稼働を続けているとのこと。
「ステイホームの影響でオンラインショップのお取り寄せが注目されており、コロナ目から人気があった惣菜は今も半年待ちの状況です。」とコメントしています。
「お客様を笑顔にしたい」その思いこそが結果につながっている
ヤザワミートではその他にも「Go to MEAT 29の日」などの企画をはじめるなど、さまざまな形でチャレンジを続けています。そのチャレンジの多くは結果が伴っており、その背景にある「お客様を笑顔にしたい」という強い思いが結果につながっていると考えられるでしょう。
これらのチャレンジは売上を伸ばすという目的もありますが、「消費者・お客様のために」という思いこそが最重要だとわかる事例です。