新型コロナウイルス感染症は多方面に大きな影響を与えており、飲食業は特に大きな影響を受けている業態の一つです。加えて、5月28日には9都道府県の緊急事態宣言が延長されるなど、今後もコロナの影響は続くことが予想されます。そんななかで、コロナ対策のための支援策が国や各自治体から公開されており、今後の経営を続ける上ではこれらの支援策を上手に活用することが重要になるでしょう。
今回は、飲食店が利用できる5つの支援制度について紹介します。
飲食店のための5つの支援制度
国や自治体では新型コロナウイルスの影響を受ける事業者に向けて、助成金や特別貸付などを行っています。そのなかから、飲食店が利用可能な制度を5つまとめました。
事業再構築補助金
経済産業省が2021年3月に新たに創設したものが「事業再構築補助金」制度です。1社あたりの補助金交付額は100万円~1億円となっており、5月末の時点では第2回の公募を行っています。対象は以下の通りです。
- 2020年10月以降の連続する6ヶ月のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同3ヶ月合計売上高と比較して10%以上減少している
- 事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員一人あたり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
第2回公募締め切り:7月2日18:00まで
詳細は事業再構築補助金(経済産業省)をご確認ください。
テイクアウト・デリバリー支援(東京)
東京都内で飲食業を営む中小企業者や個人事業主を対象とした制度です。テイクアウトやデリバリー、販促活動、器具備品費などに対して、限度額100万円の助成を行います。対象経費は以下の通りです。
- 販売促進費(印刷物制作費、PR映像制作火、広告掲載費など)
- 車両費(宅配用バイクリリース料、台車など)
- 器具備品費(Wi-Fi導入費、タブレット端末、梱包・包装資材など)
- その他(宅配代行サービスに関わる初期登録料、月額使用料、配送手数料など)
申請受付期間:第19回令和3年5月1日~令和3年6月30日
詳細は業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業(東京都中小企業振興公社)をご確認ください。
小規模事業者持続化補助金(一般型・低感染リスク型ビジネス枠)
小規模持続化補助金制度は、小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取り組みに関する経費の一部を支援する制度です。新たに低感染リスク型ビジネス枠が新設され、対象経費は店舗の改装やチラシの作成、広告掲載などが含まれています。
(一般型)
- 補助上限:50万円
- 補助率:2/3
- 公募期間:令和3年6月4日(5次締め切り)
(低感染リスク型ビジネス枠)
- 補助上限:100万円
- 補助率:3/4
- 公募期間:令和3年7月7日(第2回締め切り)
詳細はこちらをご確認ください。
新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者を対象とした支援制度で、資金繰りや設備投資、販路開拓、経営環境の整備などを対象とした制度です。対象者は以下の通りです。
- 最近1ヶ月間などの売上高または過去6ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期に比し5%以上減少していること、またはこれと同様の状況にあること
- 中長期的に見て業況が回復し、かつ発展することがお見込まれること
詳細は新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融金庫)をご確認ください。
雇用調整補助金
厚生労働省が実施する助成金制度であり、営業自粛要請を受け「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図ることを目的としている制度です。対象は以下の通りです。
- 新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
- 最近1ヶ月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している
- 労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている
詳細に関しては雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)(厚生労働省)をご確認ください。