新型コロナウイルスによって、飲食店を訪れる顧客はいままで以上に衛生面を気にするようになっています。株式会社シンクロ・フードが実施したアンケートによれば、約60%の飲食店経営者が「衛生面を気にするお客様が増えた」と回答しており、このことからも飲食店における衛生面での対策は必須になっていることがわかるでしょう。
その対策として、非対面で注文を行えるセルフオーダーが注目されていますが、セルフオーダーのメリットはそれだけではありません。今回は、セルフオーダーの真のメリットと併せて導入企業の事例を見ていきましょう。
感染症対策として注目されるセルフオーダー
飲食店では新型コロナウイルス感染症の対策として、さまざまな取り組みが実施されています。店内の消毒や室内換気、ソーシャルディスタンスの確保などが代表的な対策例でしょう。それらに加えて、人と接触しない「非対面」での接客が求められており、それが実現できるソリューションがセルフオーダーです。
セルフオーダーはテーブルに設置されたQRコードなどを顧客が持つスマートフォンで読み込むことで注文できるシステムです。モバイルオーダーと組み合わせて店内飲食だけでなく、テイクアウトやデリバリーにも対応していることもあり、近年特に利用者が増えてきています。
しかし、セルフオーダーは感染症対策として開発されたものではなく、非対面での接客による感染症対策は副次的なものなのです。
セルフオーダーは省人化、効率化こそが最大のメリット
もともとセルフオーダーは省人化や業務の効率化を目的として開発されました。そのため、セルフオーダーの新のメリットは省人化・効率化にあります。
セルフオーダーは顧客のスマートフォンから注文ができるため、料理の提供や会計時以外に従業員が対応する必要がありません。従来の方法では、注文の聞き間違いや忙しいときに顧客を待たせてしまうこともありましたが、セルフオーダーであればこれらはすべて解決できます。
また、顧客側としてもEC感覚で手軽に注文できる点も顧客側のメリットとしてあげられるでしょう。
「和食の故郷 船橋店」の事例
千葉県にある肉料理をメインとしたカジュアルな居酒屋「和食の故郷 船橋店」では、セルフオーダーを導入しています。導入前はクレームに繋がるような注文の聞き間違いや、厨房への伝達ミスなどが発生しており、注文のたびに顧客を待たせてしまう点などが課題としてあげられていました。
そこにセルフオーダーを導入したことでオーダーミスに関してはほぼ解消でき、従業員からも「ホール業務に余裕が生まれた」と好評とのこと。加えて、同店では導入前はホールに2人必要だったところが1人でも対応できるようになり、「人的コストの圧縮が最大の魅力」と語られています。