2020年に流行した新型コロナウイルスは世界規模で影響を与え、2021年現在でも未だ収束していません。多くの業界・業種においても多大な影響を与えていますが、飲食業界ではニュースタンダードとしてモバイルオーダーの存在感が大きくなってきました。モバイルオーダーはコロナの影響で予想よりも3年早く普及が進んだと言われており、今後の飲食店経営には欠かせない存在となるでしょう。
今回は、モバイルオーダーの現状から今後の状況について紹介します。
コロナで世界的に広まったモバイルオーダー
スマートフォンから商品の注文や決済ができるモバイルオーダーは、日本ではつい最近になって普及してきたイメージがあるのではないでしょうか。しかし、アメリカではスターバックスが2015年から導入しており、中国ではその対抗馬としてLuckin Coffeeが2017年後半に設立、すべての注文をモバイルオーダーに統一しています。
日本でも2019年からマクドナルドやスターバックスが導入をはじめましたが、世界と比べるとやや遅れていると言えるでしょう。そんな状況でしたが、新型コロナウイルスによって状況は大きく代わりました。
アメリカのTechnomic社のデータでは、2020年1月~3月までは74%の消費者が従業員による注文を行ったのに対して、4月~6月にはその数値は41%にまで減少しています。代わりにドライブスルーやモバイルオーダーなどがこれまでの倍以上の数値で伸びているのです。
モバイルオーダーがもたらすメリット
モバイルオーダーはもともと「レジに並ぶ必要がなく、待たずにできたてを受け取れる」という点が最大のメリットでした。しかし、新型コロナウイルスの流行によって「人と接触する必要がない」という点が大きなメリットに。
安全のために「非接触」を好む消費者が増えたことでデリバリーの需要も急増しましたが、モバイルオーダーはデリバリーやドライブスルーとの組み合わせも容易に行なえ、まさにコロナ時代にマッチしたサービスとなっています。
アフターコロナにおいてもモバイルオーダーの流れは続く
モバイルオーダーは自宅や出先からだけでなく、店内の注文にも活用されています。特に中国では普及のスピードが早く、セルフ決済ができる「WeChatミニプログラム」などを使って店内モバイルオーダーが当たり前になりつつあるのです。
非接触でありながら従来通りの注文ができる手段として、アメリカや日本でも店内モバイルオーダーが普及しはじめています。今後コロナが収束したとしても、モバイルオーダーがもたらす利便性から完全に従来どおりの状態に戻ることはないでしょう。
従業員が注文を取るという飲食店もなくなることはないと思いますが、モバイルオーダーがニュースタンダードとなると考えられます。