TREND NEWS

流通・小売業の最新情報を発信しています

カフェの自動デリバリーを実現する「配膳ロボ」の実証実験始まる

広報部

2021.03.23

2021年2月22日~3月5日に、三菱地所は同社のオフィス内でNECネッツスクエアが提供する自律走行型配送ロボットを使ったカフェの自動デリバリーの実証実験を行いました。この実証実験は非接触による感染対策としてのサービスレベルも検証されており、実用化に向けて着々と準備が進んでいます。

今回は、三菱地所が行った実証実験について見ていきましょう。

自動配膳ロボット「YUNJI DELI(ユンジデリ)」の概要

今回の実証実験で使用された自動配送ロボットは、NECネッツスクエアが提供する「YUNJI DELI」です。YUNJI DELIは前後両方向に走行が可能であり、Uターンなどの切り返し不要で70cm程度の狭い通路でも走行できます。

動作時は空間・障害物をセンサーで認識し、通路に磁気テープやマークなどを設置する必要がありません。タッチパネルで行き先などを指定することで、自律的に走行する仕組みです。YUNJI DELIは配送が終わると自動的に充電スペースに戻りますが、クルーズモードを使うことで決められた場所を巡回することもできます。

三菱地所の社内カフェテリアで実証実験が行われる

三菱地所では、そんなYUNJI DELIを活用して社内カフェテリア「スパークル」で用意されたソフトドリンクなどを自動配送する実証実験を行いました。

スパークルは大手町パークビル3階にあり、セキュリティドアを介してカフェテリアと応接室を往復する順路となっていますが、セキュリティドアも自動的に通過できるように設定されています。今回の実証実験では、飲み物を運ぶ適切な走行速度や、人や設備に衝突しないかなどの安全性・走行性能・運用性が検証されています。

そのほかにも、スタッフの配膳時間をどの程度低減できるか、非接触による感染対策として満足できるか、といったサービスレベルについても検証されました。

なお、社内カフェテリアのスパークルではアプリから商品を注文できるようになっており、YUNJI DELIと組み合わせることで注文から配膳までを非対面で実現できるとのこと。

自動化には利便性だけでなく感染対策としての役割が求められ始めている

今回の実証実験の目的から見ても分かる通り、近年のICTを活用したサービスでは利便性だけでなく新型コロナウイルス対策としての目的も挙げられるようになっています。

非接触による対面機会の減少は、利便性を高めるだけでなく感染対策としても有効です。コロナ以前のロボットの活用は利便性の向上に重きが置かれていたと思いますが、コロナ禍・アフターコロナにおいては感染対策としての役割も担うことになるでしょう。

〈参照〉三菱地所/大手町でカフェをデリバリーする「配膳ロボ」実験/流通ニュース

PAGE TOP