TREND NEWS

流通・小売業の最新情報を発信しています

「顧客体験」を向上させるためには?行動様式の変化とエンゲージメントを高めるべき理由

広報部

2020.12.16

新型コロナウイルスは私達の生活に大きな変化をもたらし、顧客の購買行動も大きく変化しました。企業にとって、このような顧客の購買行動の変化はしっかりと把握した上で、効果的な施策を展開する必要があります。昨今の企業に求められる施策としては、デジタルのなかでの顧客体験の向上が挙げられるでしょう。

今回は、アイ・ティ・アールのシニアアナリスト水野慎也氏の解説をもとに、顧客の行動様式の変化からエンゲージメントを高めるべき理由などについて見ていきましょう。

コロナ禍で顧客の行動様式に変化が

新型コロナウイルスによって顧客の非接触ニーズが高まりました。その結果、テイクアウトや宅配領域などに新しいオンラインの需要が発生しています。総務省の「家計消費状況調査(2020年7月分)」によれば、国内のネットショッピング経験率は前年比で7.5%増えて5割を超えました。

加えて、商品やサービスを認知した後、それを検索したり比較したりして理解に至る行動がオンラインへシフトした、と語られています。つまり、「商品を理解するために、顧客は情報の確認に労力を割き、納得するために繰り返しオンラインで検索する」という行動様式が確立されているのです。

さらに、情報が多すぎるあまり、自身で「選ばない」という購買行動が発生しているとも語られています。顧客が自身で選んで買うカテゴリー、おまかせするカテゴリーとしては次のようなものが挙げられます。

自分で選んで買うカテゴリー 面倒なのでおまかせするカテゴリー
生鮮食品、菓子、アルコール飲料、調味料、家具、雑貨、ファッション、書籍、映画、自動車、住宅など 家電、情報機器、有料スマホアプリ、金融商品、学習教材、旅行、外食、医薬品、洗剤、化粧品など

顧客行動の基準は「共感」「心地よさ」

水野氏は「顧客価値を向上するために企業からアプローチするなら、共感と信頼を得る必要がある。そのためには、顧客が興味を持つ『見え方』を工夫したり、顧客との接点と体験の場を提供することが求められる」と解説しました。

顧客の行動基準は「共感」と「心地よさ」が挙げられており、接点を構築して体験を提供することが必要と語られています。

顧客エンゲージメントを高めるべき理由

アフターコロナでは、顧客の購買行動はさらにオンラインへシフトすると考えられています。オンライン上にはさまざまな情報が溢れかえっており、顧客は選ぶことを諦めてしまうことでしょう。そのため、顧客は共感・信頼できる第三者を「選択のパートナー」に位置づけると予想されます。

顧客エンゲージメントを高めることは、選択のパートナーとして顧客に選んでもらうことにつながるのです。このことからも、企業におけるIT投資の考え方も顧客エンゲージメントの構築に振り分けるべきだと語られています。

従来のシステムの運用・維持や社内業務の効率化を中心とするIT投資から、顧客に向き合うためのIT投資へシフトするべき時期に来ているのです。

〈参照〉成功に不可欠な「顧客体験」、チームとプラットフォームはこう作る

PAGE TOP