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IPA「IT人材白書2020」から見るDXで成果を出した企業の特徴と今後の日本企業の課題

2020.11.17

日本では2018年に経済産業省からDX推進ガイドラインが公表され、国を上げて日本企業におけるDXの推進が求められている現状です。なかなかDXの推進がうまくいかないという企業も多いなか、IPA(情報処理推進機構)が毎年発表している「IT人材白書」を参照すると、DXで成果を出した企業の特徴を見出すことができます。

今回は、IT人材白書2020を参考にDXで成果を出した企業の特徴と、今後の日本企業の課題について見てきましょう。

DX推進企業の共通点-既存ビジネスへの効果

IPAが公表した「IT人材白書2020」では、DX取り組み企業やDXに対応する人材、IT人材企業やユーザー企業におけるIT人材の場の広がりなどの観点から、企業やIT人材の現状についての調査結果を公表しています。

IT人材白書2020を参照すると、DX推進企業の共通点としてはおもに次の2点が挙げられます。

  • DXの推進やデジタルビジネス強化に取り組む専門部署に全社のコントロールタワー的な役割を与える
  • 既存ビジネスの効率化よりもビジネスモデルの変革に取り組んでいる

1つ目については、DXに関する全社戦略の立案から自社内での取り組みの実施まで行なう専門部署を立ち上げ、全社のコントロールタワー的な役割を担わせている部分が特徴です。DX推進企業に対して取組状況を調査したところ、次のような回答となりました。

  • 全社戦略に基づき、全社的にDXに取り組んでいる:47.6%
  • 全社戦略に基づき、一部の部門においてDXに取り組んでいる:32.4%
  • 部署ごとに独自、個別にDXに取り組んでいる:20%

このことから、全社的にDXに取り組むことが重要であるとわかります。実際に全社的にDXに取り組んでいる企業では、業務効率化・生産性の向上などに対しては成果が得られていると回答が得られています。

DX推進企業の共通点-ビジネスモデル変革への効果

しかし、ビジネスモデルの変革を伴う本来のDXの取り組みについては、あまり成果が得られていない模様です。そんななかで、ビジネスモデルの変革まで成果が得られている企業では、2つ目の既存ビジネスの効率化よりもビジネスモデルの変革に取り組んでいるという特徴が見られました。

それらの企業の文化・風土を調査したところ、次のような要素が含まれている企業が多かったとのこと。

  • リスクを取り、チャレンジ
  • 意思決定のスピード
  • 多様な価値観受容
  • 仕事を楽しむ

これらの要素がビジネスモデル変革において重要であるとわかっています。

日本の深刻なIT人材不足による課題

日本企業では、IT人材の量・質ともに不足感に悩まされています。2016年度から「大幅に不足している」と回答する企業は年々増え続けており、DXの推進においても適切なスキルを持ったIT人材の確保が難しい状況です。

ユーザー企業はIT企業に依存し、IT企業はユーザー企業の要望通りに対応するだけといった現状を打破しなければ、日本におけるIT人材不足の解消は不可能でしょう。IT企業だけでなく、ユーザー企業にとってもIT人材の育成・確保が今後はより一層重要となると予想されます。

〈参照〉IT人材白書2020で判明、DXで成果を出した企業の特徴/ビジネス+IT

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