九州を中心に展開するスーパーセンターチェーンのトライアルが、2020年7月3日に関東初のスマートストアを開業しました。同店は千葉県の「スーパーセンタートライアル長沼店」を改装したものであり、AI(人工知能)などを活用した「スマートストア」としてリニューアルオープンしています。
小売業界にはAIなどを活用したデジタルテクノロジーを導入する動きが加速しており、トライアルのスマートストアもその動きの一端です。
トライアルは小売業向けに特化した「リテールAI」の開発を進めてきましたが、流通業界に広く普及させることを目的に2019年11月には、複数の企業と合同で立ち上げたプロジェクト「リアイル」に参画しています。今回のリニューアルオープンしたスーパーセンタートライアル長沼店は、同プロジェクトの旗艦店として位置づけられています。
今回は、トライアルが展開しているスマートストアの概要とあわせて、リアイルプロジェクトについても触れていきましょう。
スマートショッピングカート、AIカメラなどが導入されたスマートストア
トライアルホールディングス傘下のトライアルカンパニーは、九州を中心に展開するスーパーストアチェーンです。同社は九州ではすでにスマートストアを展開していましたが、関東では長沼店が初めての開業となります。
長沼店では、セルフレジ機能を搭載した買い物カート(スマートショッピングカート)や、陳列棚の欠品や店内での人の流れを分析するAIカメラが搭載されています。スマートショッピングカートは会計をレジで行う必要がなく、買い物客の利便性を大きく向上させる取り組みです。トライアルではすでに19店舗で約2,000台が導入・運用されていますが、長沼店ではさらに買い物客がスキャンした商品に合わせてレシピ提案をする機能まで追加されています。
AIカメラについては今後設置台数を688台にまで増やす予定であり、買い物客の利便性向上と合わせて、より良い店内環境づくりに活かすこととしています。
リテールAIプラットフォームプロジェクト「リアイル」とは
リアイルとは、流通小売業界へのリテールAIの導入を推進するための店舗・メーカー・卸・物流の垣根を超えたハイブリッドプロジェクトです。次に挙げる6社が参画しており、リテールAIを活用した「情報流通革命」を起こすべく、さまざまな取り組みを行っています。
- サントリー酒類株式会社
- 株式会社トライアルカンパニー
- 株式会社日本アクセス
- 日本ハム株式会社
- フクシマガリレイ株式会社
- 株式会社ムロオ
スーパーセンタートライアル長沼店はリアイルプロジェクトの旗艦店として、同店舗を中心にリテールAIを活用したさまざまな実証実験を行う予定としています。 〈参照〉トライアル、関東初のスマートストアを開業、千葉市の既存店舗を改装/DIAMOND Chain Store